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て「あ、もしもし？？篠崎さんいます？」
「え！？篠崎さんってしゃ、社長やん！！てっちゃん！！なにすんの！！」
ちょっと！と言ってスマホを取り返そうと暴れるAを、手で押さえながら電話を続けるてつや。
そんな中、こちらにアイコンタクト。
どうやら「A捕まえてて」とのこと。
なにをしようとしているのかはわからないが、リーダーからの指示は絶対だ。
り「はいはい、A。おとなしく俺と待ってようね？」
「ちょ、りょうくん！！は、離してーっ！」
胸の下から腕を回し、ひょいっと抱える。
久々に抱きしめるAの体は、相変わらずの匂いと柔らかさだった。
俺の行動を見て、親指を立てるてつや。
まだ篠崎とやらと電話を続けている。
て「あ、大丈夫ですか？いやー助かります！はい、そりゃもうすーぐまた呼びますよー！これからもよろしくお願いしますー！」
和気藹々とした口調で電話を切った。
「ちょ、てっちゃん！？何言ったの！？」
て「んー？A、荷物どこに置いてんの？」
「へ？！に、荷物？……会社の寮追い出されたから、店に置かせてもらってるけど…」
て「オッケ、わかった。ちょっと待っとって」
「え？なに？え？？！」
そう言って、Aの頭をクシャクシャ撫でて「大丈夫やから」とヘラヘラ笑って出て行ってしまった。
なにがおきているのかわからない彼女は、ポカンとした表情でてつやがでていったドアを見つめる。
「……りょうくん、としくん…てっちゃん、どこいったん…？」
混乱で涙目で見上げてくる。
り「うーん、わからん」
と「あいつの考えることはまじでわからん」
としみつも俺に抱きとめられるAの元に近づき、
と「まあ、Aの困ることはあいつせんよ。安心しりん」
と、目線を合わせ優しく微笑みながら頭を撫でる。
そういえば昔から、としみつはAに甘かったなあと思い出す。
そして、少しムッとした顔でこちらを見て
と「りょう、もう離したれよ」
Aの腕を掴んで引く。俺の腕の中から暖かいものが消えて行った。
ここ座り、とソファに腰掛けるよう案内してやる。こんな優しさ俺らに見せることないくせに。
り「さ、とりあえずお茶でも飲んで待ってようか」
キッチンへ向かい、お茶を入れる準備をする。
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作者名：よいちょちょ丸。 | 作成日時：2020年2月26日 18時
