まんなか。 (ページ3)

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高校時代の陸上部の後輩。部活で仲良くなった俺とゆめまるとてつやが、よく連れ回して遊んでた。
俺たちつながりでそのほかのメンバーとも最終的には仲良くなってたり。

怒るつもりはなくても、自分の体を大切にしなさい、みたいな言葉が口から出てきそうになる。
それほど、可愛がってた自負もある。

り「もしなんか理由があるなら、聞かせて？」

優しく、優しく話そうと心がけるものの、なぜそんなことになったのか、可愛がっていた後輩が見ず知らずの男どもにそういう対象として触れられたのかと思うと我慢できなかった。

俺の空気を察知したのか、ふざけて言い合っていた2人も黙ってAを見つめる。

シーンと静まった空気の中、やっと口を開く。

「…就職は、した…。」

と「…言っとったもんな。」

ぽつりぽつりと口からこぼれるように発していく。

要するに、『就職先の会社が超絶ブラックで給料支払いが滞ったあげく、それを追求したらクビになり、さらに任されていた仕事の分の損失を支払えとデリヘルに出向させられた』という感じ。

そんなことある？と思ったけど、本人の表情や口調から嘘ではないことがわかった。

り「なるほどね…そういうことか」

「…うん……最初のお客さんがてっちゃんたちだとは思わなかった…」

え？……今なんて言った？？

り「最初のお客？」

「うん。今日が最初だったから……」

その言葉を聞いた瞬間、としみつと目を合わせた。

と「んならお前、まだ他の客としてないってことか！？」

「え？うん。」

としみつと俺は声を合わせて、「よかったー」と叫んだ。

て「よかったな。俺が初めての客で。」

り「そうだよ、ほんとに。」

て「俺めっちゃうまいからな、安心し」

り「そうじゃないでしょ！！」

ふざけてるのか本気なのかわからんてつやの肩を拳で小突く。

「…と、とりあえず、チェ、チェンジだよね…？お店に連絡して代わりの人呼ぶね。」

そう言って、スマホを取り出し店にかけているのだろう。

て「うぉりゃっ！！！」

「えっ！？！？」

その手から勢いよくスマホを奪い取ったてつやは、スマホを持って部屋を駆け回る。

「ちょ、て、てっちゃん！！！」

懐かしい呼び方に一瞬唇がにやけたのは見間違いじゃないだろう。

「なぁ！お店にかけてんの！迷惑かかるからっ！てっちゃん！！ふざけんのやめて！」

部屋をドタバタ走り回るふたり。