〇 ページ10
そこら辺は岩本くんに任せよう。
ココア、とっても美味しいです。
普段は滅多に飲めないんだ〜！
初めて飲んだ時は美味しすぎてこの世のものか？って思ったもん。
岩｢今回死のうとしたよ｣
さらっというもんだから、
思わず吹き出しそうになった。
勿体ないから頑張って堪えたけど。
向｢あちゃ〜！｣
阿｢記録更新だね｣
深｢これ以上の記録でないからね。｣
目｢あぶない。｣
思ったより皆すんなり受け入れたってことは
あそこまで行かないにしても、
同じようなことが何回もあったんだろうな。
彼の危うさをみんなは知ってたって事だ。
岩｢マジで危なかった。
舘さんいなかったら死んでたわ｣
うんうん、と皆が頷いていた。
なるほど。
すんなり受け入れたのはきっと
死なない確証があったんだ。
キーマンは、舘さんか。
舘さんが帰ってきた時点で、皆勝ちを確信した訳ね。
｢ひーぷんまるさぁ。｣
岩｢……おれ？｣
｢部屋入った瞬間舘さん帰ってきたっていえばよかったんじゃ？｣
岩｢それもそうじゃん。ミスったね。｣
はぁ。
舘さんが絶対翔太くんを宥められるから
みんなはここで安心していたんだろう。
佐久間くんが寝たのもそういうことか。
僕は本当に翔太くんを死なせたらどうしようと
気が気出なかったのに。
教えてよ。言うの遅いよ、もう。
がちゃ、とドアノブが音を立てる。
皆の視線が立っている彼に向けられた。
渡｢あの、俺…。｣
申し訳なさそうに袖を握って
仁王立ちで俯いてる翔太くん。
佐｢翔太？｣
いつの間に起きたのか、
佐久間くんが目を擦っている。
渡｢佐久間、ラウール、ごめん。｣
さっきまでの剣幕はもう無く、
今は捨てられた子猫のよう。
佐｢いいんだよ。おれもごめん。｣
佐久間くんが翔太くんの肩をそっと抱いた。
殴られていた頬は、やっぱりまだ少し赤くて
それを翔太くんが申し訳なさそうに撫でていた。
｢俺も、大丈夫。｣
ぱちっと、不安げに揺れた瞳とかち合う。
そんな顔しないでもいいのに。
僕はなにもされてないんだから。
翔太くんの頭を撫でる。
いつもは嫌がられるけど、今日は大人しい。
渡｢ラウールには、聞く権利があるから。
話そうと思う。｣
｢そんな、気にしないでよ。｣
僕だって、大事な人があんな目にあったら。
取り乱し錯乱すると思うから。
渡｢いいや。聞いてくれ。
俺の…懺悔を。｣
終わり
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作者名：とあ | 作成日時：2021年10月13日 2時
