90、答え合わせ ページ40
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薬研藤四郎side
「手入れをして欲しければ体を差し出すように言われていたそうですね。」
今…その話題が出るということは…
「泉さん、誰かに夜這いされたのかな。」
包丁が小さく呟いた。
その予想は間違っていないように思う。
三日月の旦那は話し始めた。
「あやつには前の主を共にした仲間がいてな。ある時は相棒として、またある時は兄弟のように、陰に日向に互いを支え合っていた。
だがな、顕現してからいくらか経った頃その刀があの女に歯向かったのだ。
『俺達はお前の玩具じゃない。』とな。
普段全く喋らないのに、義に反するものには真っ向から立ち向かう。
そういう刀だったのだ、大倶利伽羅という奴は。」
大倶利伽羅の旦那…
あの日のことは俺っちもよく覚えている。
燭台切の旦那が大将に傷付けられた小夜を隠れて手入れしていた時だ。
勝手に手入れしていた燭台切の旦那に激昂した大将を、大倶利伽羅の旦那が止めたんだ。
「逆らった大倶利伽羅は俺達の見ている前で、見せしめとして顕現が保てなくなるほど手酷く壊された。触れれば砕け散ってしまう状態の大倶利伽羅を人質に取られたあやつは…あの女に逆らえなくなった。」
「そうか…」
不意に泉が口を開いた。
「光忠さんが私に体を差し出してまで手入れして欲しかったのは、その大倶利伽羅さんなんですね。」
三日月の旦那は一瞬口を噤む。
それからまた話し出した。
「燭台切は大倶利伽羅がそのような仕打ちを受けたことで酷く自分を責めていてな、どうにかして直してやりたいとずっと思っていたようだ。
そこに現れたのが皆を無償で手入れしてくれる人間…お主だ、泉。
お主ならば手入れしてくれるかもしれないと期待する反面、人を信じることが恐ろしかったんだろう。それで…」
「私を抱いて、それを対価に手入れをしてもらおうとした。」
夜這いをしたのは燭台切の旦那。
でも俺っち達はそれを…責めることが出来ない。
泉は…ふっと力を抜いて笑った。
「そのお話が聞けて良かったです。光忠さんが何の理由もなしにこんな事するはずないと思っていましたから。」
安心しました、と泉は微笑む。
「すまなかった。お主の心に深い傷をおわせてしまった…」
「違うんです。」
泉が三日月の旦那の謝罪を遮った。
「別に、光忠さんのせいじゃない。今回は古傷が開いちゃったようなものなので…」
「古傷？」
静かに頷くと泉が話し始めた。
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます！修正します！ (2019年8月2日 10時) (
レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません！沖田君は、一番組組長だと思います！ (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2019年6月8日 8時
