75、古の刀剣の言葉 ページ25
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「今剣くんはやっぱり立派な守り刀だよ。
だって、義経公の誇りを守ったんだから。」
武士は自分の誇りのために、敵に打たれるくらいならと自害をすることが多かったときく。
義経公もそうだったのではないだろうか。
それに…
「今剣くんほどの切れ味のいい刀なら、きっと苦しむこともなかったんじゃないかな。」
今剣くんは目を見開くと両眼にいっぱい涙を溜めた。
それを見られまいとしたのだろうか、岩融さんの胸に飛び込んでしまった。
「…いわとおし、ぼくは、ちゃんとよしつねこうをまもれていたんでしょうか。」
「あぁ。」
去り際に今剣くんは言った。
「こたびのしゅうぜんのぎは、みごとでした。」
古くから生きてきた刀らしい重い言葉は私の胸にすとんと乗っかった。
認めてもらえた、という確かな感触となって。
手入れをした刀剣達とは皆、一言二言会話をした。
でも気掛かりな刀が一人。
乱藤四郎さんだ。
あの子とだけは一言も話さなかった。
声をかけたけれど応じてもらえなかったのだ。
清光くんとは話していたから言葉が話せないとかそういう訳では無さそうだけど…
やっぱりあれかな。
初っ端に「女の子らしくて可愛い」なんて言ったからかな。
だって思わないじゃないか。
あんなに可愛い子が男の子だなんて!!
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歌仙兼定side
「ふぅ…」
夜もすっかり更けたころ、僕は久しぶりにお湯に浸かることが出来た。
今まで水を被ることしか出来なかったから、お風呂はとても気持ちがよかった。戦で負った傷が癒えるような気さえした。
堀川くんが準備してくれたと言っていたけど、僕は知っている。
本当はあの人の子が僕達のために準備してくれていたことを。
湯気立ち上る露天の風呂にひっそりと月が浮かぶ様子は誠に風流で見惚れて危うく逆上せるところだった。
喉が乾いたなぁ
美しく修繕された縁側をひたひたと歩く。
軽く逆上せた体に夜風が心地良い。
「歌仙くんじゃないか。」
「石切丸殿に一期一振くん、三日月宗近殿まで…これはまた珍しい取り合わせだね。」
石切丸殿に呼び止められて顔を向けると、灯りを落として月見酒を楽しむ3振りの姿があった。
「歌仙、お主も一緒にどうだ?」
「そう…だね…」
いつもなら酒はあまり飲まないのだが、今日はこんなに雅な夜だ。
「ご一緒させてもらおうかな。」
一期一振から赤漆の盃を受け取って腰を下ろした。
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます!修正します! (2019年8月2日 10時) (レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません!沖田君は、一番組組長だと思います! (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫水 | 作成日時:2019年6月8日 8時