83、朝 ページ33
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「…んんぅ…」
んぁー、今何時…？
あーそっか、時計無いんだった。
でも外を見てすぐに分かった。
いつもよりめちゃくちゃ早く起きたことが。
変わった夢を見たからかなぁ。
「いたっ…！」
首の後ろに痛みが走った。
その痛みを皮切りに昨晩の光景が一瞬にして蘇る。
ドクン、と心臓が嫌な音を鳴らした。
私…光忠さんに襲われた…？
バッと布団をめくって姿を見ると、別段汚れている訳でもない。特有の匂いもなければ体の違和感もなかった。
未遂で終わっていたことにそっと安堵の息を吐く。
気絶する前に視界を過った影。
きっとあの人が止めてくれたのだろう。
誰かまでは見る余裕がなかったけど、本当に良かった。
良かったのだ。
「……何も…無かったのだから…。」
小さく発した声は震えていた。
何も無かったのだからいいじゃないか。
光忠さんの気の迷いかもしれないし。
何も…生娘な訳でもないし。
こんなの…慣れたはずでしょう？
言い聞かせてみても頭とは裏腹に心と体が怯えている。
震えが止まらない体を抱きしめた。
しっかりしてよ、私。
今日もたくさん手入れしなきゃ。
痛みに耐えてる子がまだたくさんいるの。
彼らには、幸せになる資格があるんだから。
いくら奮い立たせようとしても体が言うことを聞かない。
そうやって蹲ったまま、動けないでいた。
どれくらいそうしていただろうか。
不意にぽんっと軽やかな音を立ててこんのすけくんが現れた。
「おはようございます！泉様！…泉様？どうなさったのですか？」
こんのすけ君が顔を覗き込む前にゆっくり顔を上げた。
誰かの前だと頑張らないといけない気になるのは私のいいところでもあり悪いところでもある。
だけど今回はいい方向に働いたようだ。
「おはよう、こんのすけ君。」
何事も無かったかのように笑ってみせた。
「随分と青いお顔をなさっていますが、体調が優れませんか？」
「そうかな？
大丈夫だよ。心配しないで。」
ヒラヒラと手を振って立ち上がる。
寝坊だぁ、とわざと大きめに独り言を言いながら身支度した。
朝ごはんは…いいや、食欲無いし。
手入れ部屋まで一直線に向かうと小さな職人さん達がお出迎えしてくれた。
ポンポンと白い布はもう準備してある。
フンスっ、と鼻息を吐いてやる気十分だ。
「今日もよろしくお願いしますね。」
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます！修正します！ (2019年8月2日 10時) (
レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません！沖田君は、一番組組長だと思います！ (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2019年6月8日 8時
