9、恥じらい ページ9
.
.
今の状態はと言うと、立ったまま後ろからヒロくんに抱きしめられているわけでありまして…。
そして、一番の問題は彼が半裸だということでございまして…。
耳元で私を気遣う囁き声がするのであって…
何を言いたいのかと言うと、めっちゃ恥ずかしいです。
この子、年の割に色気ありすぎないか？？
ん、そういえば歳いくつだろう。
「つかぬ事をお聞きしますが、ヒロくん今いくつ？」
「…420年ぐらいは経った。」
「へっ？」
素っ頓狂な声が出た。
そういえば神様でしたね。
「ふっ。」
あっ、笑った。
ヒロくんは私を見て目を細めるようにして薄く笑みを浮かべている。うわぁイケメン。
きっかけが何であれ(たとえ私のマヌケ顔だったとしても)笑えるのはいい事だ。
だけどそろそろ離してもらわないと…
「あのー、ヒロくん。もう大丈夫だから、離れていいよ？」
「…何だ？写しの俺では不満だったか？」
「あーえっと、今君半裸な訳でして。私も一応女なので…。」
言いながらめちゃくちゃ恥ずかしくなってきた。
顔がどんどん赤くなっていくのがわかった。
お願い、察して！
「…すっすまない！」
ヒロくんは飛び退くように私から離れると掛け布団の下に戻ってしまった。
「…あまり初心な態度を取られると、こちらまで気恥しい。
俺は慣れているはずなのに…。」
ヒロくんinカマクラが何かモゾモゾ言っているが、はっきりとは聞こえなかった。
急いでお目当ての大きめパーカーとジャージを探し出すとヒロくんに渡した。
着替えておいてもらう間に私はキッチンへ戻り、うどんを持ってきた。
リビングにはパーカージャージ姿のヒロくん。
サイズ合ってたみたいで良かった。
私の休日ウダウダスタイルがヒロくんみたいな美形が着るとちょっとオシャレに見えるから不思議だ。
「ヒロくん、うどん好き？」
ポカンとするヒロくんをよそに私はテキパキとうどんを並べていく。
というか、並べると言ってもうどんとお惣菜(コンビニ)しかないのだが。
もしうどん苦手でも今日はこれしかないんだ！
こんなことなら普段から真面目に自炊すればよかった！
普段の干物生活をめっちゃ恥じてるよ今！
「はい、じゃあ手を合わせて？いただきます。」
「……頂きます。」
ーーーーーーーーー
主人公は、恋愛歴はほとんどありません。
「仕事に生きてるって言ってよ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翡翠(プロフ) - バッドエンドは残念です (2019年9月3日 1時) (携帯から) (
レス) id: 2f528c9731 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫水 | 作成日時：2019年1月27日 9時
