【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ6)

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6、愛ページ6

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彼は頭の上から何かを引き下ろそうとして戸惑っている。
暫くアワアワしていたがベッド上の掛け布団を頭から被って落ち着いていた。

あっ、あの白い布探してたのね。
何だか可愛い。

ほっこりして見ていると「見るな！」とまた怒られてしまった。
それすら微笑ましい。

それにしても…

「大切にしてるんだね、この刀。」

「当たり前だ。それは、俺自身だからな。」

いきなりのビッグラブ発言だ。愛がすごい。

何当たり前のこと言ってんだお前、みたいな顔してるのもなんかすごい。

「…大切にされた物には付喪神っていう神様が宿るらしいよ。

この刀にも付喪神が宿っているかもね。」

「俺だ。」

「ん？」

「その刀の付喪神は、俺だ。」

私は何も言えなかった。

彼の目は真剣で、その空色の瞳は確かに神々しかった。

ただ、説得力が……ない。

だって、掛け布団にくるまってる金髪蒼眼美青年と日本刀の付喪神というのがどうにも結びつかないのだ。

戸惑う私を他所に彼は「やって見ればわかる」と話を進めていく。
私は言われるがままに抜き身の刀を手に取った。

「そのまま霊力を込めてみろ。」
「霊力？」

「…あんた審神者でも無いんだな。」
「さにわ？」

さにわ、と聞かされて埴輪を思い浮かべたのは私一人じゃないはずだ。
埴輪ってあれだよね、土器で作られた人形みたいなやつ。

「何を阿呆なことを考えているのか知らないが、ひとまず聞け。」
「あっ、はい。」

心を開いてくれたのは嬉しいけど、割と毒舌なのね。
どっちが歳上だかわかんないな、こりゃ。

「で、どうしたらいい？」

「……忘れた。」

「はい？」

「手入れで傷は治る。だけど長らくされてなかったから…。」

話の流れ的に手入れって治療のことだと思う。
治療の仕方も忘れるくらいに放置されていたということか。

俯いた彼は掛け布団の影に溶けていきそうな気がした。

よく分からないけど、大切なものを私を信じて渡してくれたその覚悟に応えたい。

手探りで霊力とやらを込めようとしてみた。

「霊力っ！入れっ！」

……シーン。

何も起こりません。めっちゃ恥ずかしいです。

顔を上げると彼と目が合った。

めっちゃ見てらっしゃる。
うっ、若干落胆してる？

彼を落ち込ませてはいけない！
頑張れ私！羞恥に耐えろ！

そこでふと思い至った。

手入れは治療。

ならば、大切なのは愛情だ。

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┗|∵|┓←埴輪