【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ46)

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46、大事なことページ46

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五虎退side

泉さんの黒い瞳に吸い込まれそうになる。

「いい？五虎退くん。大事なことだからよく聞いて。

私は五虎退くんも君の友達の虎くん達も、本丸にいる他のみんなも絶対に傷つけない。
何をされても、何を言われても、絶対に。

たくさん優しくするし、ここにいられる間は守ってあげたいと思う。
でも、見返りを求めたりもしないよ。

だからさ、自分を犠牲にしようとなんてしないで。

五虎退くんは十分我慢した。これからは、自分の幸せのことを考えていいんだよ。」

難しかったかな、なんて笑いかけてくるその優しさが僕の中に染み込んでくるようで目が熱くなった。

「私の事、嫌いかもしれないけど、怯える必要は無いんだからね。」

嫌だったら、突き飛ばしてくれて構わないから。

そう言って泉さんは躊躇いがちに僕を抱きしめた。

堰を切ったように涙が溢れた。
泉さんにすがり付いて泣いた。

苦しい日の始まりから響いてくる涙だった。

「…落ち着いた？」
「はい…」

きゅるるるる…

「あっあの…」
「ふふっ、お腹すいたよね。実は私も！」

2人で顔を見合わせてへらっと笑う。

「朝ごはん作りかけだったんだ。良かったら一緒にどう？」
「えっ…でも…」
「遠慮しなくてもいいよ？」

「…やっぱりいいです。みんなお腹すいてるのに僕だけ食べるわけにはいかないです…」

泉さんははっとしたようだった。

「五虎退くんは優しいね。
じゃあ、みんなの分もご飯作ろっか。」

主様は僕達に食べさせる食料がもったいないって、自分の分は燭台切さんに作ってもらって僕達には絶対に食べさせてくれなかった。

「…いいんですか？」
「もちろん。五虎退くんも作るの手伝ってくれる？」
「はいっ！」

「五虎退っ！！！！」

聞き慣れた声に振り返る。

「いち兄？」

いち兄も寝巻き姿。
でもずっと走ってきたのかちょっとはだけてた。

駆け寄っていって寝巻きを直そうと手を伸ばす。

でもその手ごといち兄に抱きしめられた。

「五虎退が居ないことに気付いて肝を冷やしました。あまり心配をさせないでください。」
「ご、ごめんなさ…」

「怪我はありませんか？あの女に何かされませんでしたか？」

小声で呟く。

返事を聞くでもなくいち兄は僕を背中に隠した。

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我が本丸に小烏丸がやって来ました！
おとうちゃんようこそ！