【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ5)

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5、手当て?手入れ? ページ5

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「そのままだと冷えるし、ベッドに戻れるかな？…あと体を起こせる元気があれば、包帯を巻かせてもらいたいんだけど…。」

その時初めて彼は自分が手当てされていることに気付いたようだった。

「……あんたがやったのか？」
「うん。」

不格好でごめんよ。
だから、頼むからそんなにマジマジと見ないでくださいな。

「俺が何だか知らないのか？」

「えっ？」

えっ？どういうこと？
彼実はモデルとか俳優とかだったりするの？

言われてみればテレビやなんかに出ててもおかしくないぐらいの美形ではあるけども。

あっ、ひょっとしてテレビの撮影中だったのかな？
だから鎧とか刀とか持ってたのかな？？

「…知らないのか。」

「…はい、ごめんなさい。テレビとか忙しすぎて全然見れてないもので…。」

「てれび…？」

えっ？違うの？

二人共が頭にハテナを浮かべている。
ほのぼのシュールな光景だけど、ぶった切って聞いておこう。

「君は芸能人とか？」
「…ゲイノウジンがなんの事だかは知らないが、おそらく違う。」

はい、解決。
わたくしの早とちりでございました。申し訳ない。

「それで、えーっと…包帯を巻かせてもらいたいんだけど…」
「包帯は必要ない。手入れで治る。」

そう言うと彼は日本刀に手を伸ばした。

ここで多少の防犯知識のある人は、というかまともな警戒心がある人なら刀の長さの分ぐらいは距離をとるんだろうけど、おマヌケな私はただボーッとそれを見ていた。

案の定、彼には若干呆れられた。

しかしまたも能天気な私は、警戒→疑い→戸惑いと来て呆れるまで進歩したかーと短時間での彼の心の変化を呑気に喜んでいた。

彼は手に取った日本刀を私に渡そうとしている。

それに応えるように私も手を伸ばしたが、数センチ先で彼の手が止まった。

「…あんたは、折ったりしないか？」

折る？この刀を？

「しないって！第一そんな力無いしね。」

「ならば、力さえあれば折るのか？？」

「折らないよ。こんな綺麗な刀、折れるわけがない。」

「…っ！綺麗とか、言うな！」

一瞬呆気にとられたような顔をしたけど、言い返してきた時の彼は頬を赤く染めて少し泣きそうに見えた。

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泣きそうなだけです。
まだ泣いてません。

私もテスト間近で泣きそうですが、まだ泣いてません。