【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ4)

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4、日本刀ページ4

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抜き身の刀はずっしりと重い。

「でも…綺麗。」

生まれて初めて見た日本刀は、傷など目につかぬ程に美しかった。

そしてどこか神聖な雰囲気を纏っているようにも感じたのだった。

家にある一番高いハンカチで表面の水滴を優しく拭き取る。
それだけでもさらに艶を増すようだった。

「…はっいけない！人の宝物勝手に見ちゃった！」

何かいけないことをしているような気持ちになって、私は急いで刀を鞘に戻した。

「目が覚めたらお腹空くかもしれないし、ご飯でも作っておこうかな。」

というわけでキッチンへ。

何なら食べれるか考えた挙句うどんしか浮かばなかったのでとりあえずうどんを茹でている。
我ながら安直である。

しばらくするとガタガタンと音がした。
何かが落ちた音だ。

心配になってリビングに戻ると、彼がベッドから落ちていた。

「わっ、大丈夫？まだ動いちゃ…」
「触るなっ！」

体を支えようとした手は彼によって振り払われた。

「ごめん、もう触らないよ。
でも君、すごい傷だったんだ。出来るなら今はもう少しベッドで横になってて？」

出来るだけ優しく声をかける。
目線はベッドサイドにうずくまる彼の高さだ。

「…貴様…何者だ。」

貴様呼ばわりされたことに少し驚いたが気を取り直して名札を見せる。
胸ポケットに入っている名札を手に取った時、彼が身構えたのが分かった。

「私は虐待対策本部の真島と言います。
安心して？君に危害を加えるつもりは無いよ。」

彼は私から目を離さない。
私を睨みつけたまま腰に手を当てた。
いわゆる抜刀の構えと言うやつなのだろう。
だが、当然そこには刀はない。

その事に彼は一瞬慌てた。

「君の宝物は、そこに立てかけてあるよ。
…錆びるかなと思ってちょっと水を拭き取ったけどそれ以外は何もしてないから。」

その言葉に彼は怪訝な表情をする。

「どういうつもりだ。俺を手篭めにでもするつもりか。」

彼の警戒は最高潮のようだ。
手篭めの意味は残念ながら分からなかったがどういうつもりだと聞かれたのでそっちに答えよう。

「君、傷だらけで道端に倒れてたんだけど覚えてる？私は通りかかって保護しただけ。放っておけなかっただけだよ。」

再び彼に微笑みかける。

彼の視線は睨みつけるようなものから懐疑的なものに変わっていた。

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まだもうしばらく現世にいる予定です。