【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ21)

今日:38 hit、昨日:0 hit、合計:69,302 hit

21、血と赤い唇ページ21

・
・

「いつ見てもいい気味ね。」

「どういうつもりだ！！」
「立場が分かってないようねぇ、まんばちゃん。貴方は逃げたのよ、主を裏切って。
ねぇどうだったの？
刀の分際で主から逃げ出して、一晩の逃避行。」

きゃらきゃらと彼女は嗤う。
その目が私を捉えた。

「でもまぁ、新しい脇差かしら？貴方に懐いてる様だし、貴方が連れてきたのよね？
私のコレクションを増やしてくれたみたいだから、勝手に自分で手入れしたことは大目に見てあげるわ。」

誰も声を発することが出来ない。
この場は完全に彼女のペースだった。

「…それで、和泉守。よくまんばちゃんを見つけられたわね。

でもね…貴方までもが手入れしてるのは頂けないわ。私言ったわよね

血濡れの貴方が一番格好いいって。」

そのときに気付かされた。

彼女は治療を怠っていたんじゃない。
敢えて傷つけて、放置していたのだ。

「…狂ってる。」
「言葉には気をつけなさいね、新入りちゃん？」

「痛っ！」

刹那、私の頬を何か尖ったものが掠めた。

「泉！」
「っ大丈夫だよ。どうってことない。」

「ふふっ。…へぇー貴方、泉って言うの。
『泉、こっちへいらっしゃい。』」

まただ。
見えないロープで引き寄せられるように、ぎこちない足取りで私は彼女の前まで歩かされる。

「近くで見ると女の子みたいな顔してるのねぇ。…それに、まんばちゃんに随分と可愛がられてるみたい。」

長い爪が私の喉元を撫でる。
背筋に冷たい汗が伝った。

「泉には手を出すな！！」
「ねぇまんばちゃん、この子がそんなに大事？
…でもさぁ、この子もやっぱり血濡れの方がもっと可愛いと思わない？」

そう言いながら彼女は私の首に貼ってあった絆創膏をベリベリ剥がしていく。

その下には、今朝の傷がまだ生々しく残っていることだろう。

彼女が爪でその傷跡を引っ掻く。
鈍い痛みの後、傷口が開いて血が溢れ出した。

それで気を良くしたのか、さっきの見えない刃で細い傷が何本も引かれていく。

赤い唇が猟奇的な笑みを作る。

怖い…。

声が…出ない。

「あら…やっぱり可愛い。
でも、まだ足りないわよねぇ。」

「やめろ！！！！」

ーーーーーーーーー

この審神者やばいです。
書いててドン引きしてます。

自分で作ったキャラなのが複雑な気分…