【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ20)

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20、本丸ページ20

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「わぁ、日本家屋。」

初っ端から間抜けな感想になってしまったのを許して欲しい。

仕事の関係でこれまでいろんな家にお邪魔したが、こんな家は初めてだ。

鳥居を抜けた先には現代では考えられないような大きな日本家屋があったのだ。

ただ、ボロい。

壁はヒビ割れ、蔦が屋根まで走っている。
庭も雑草だらけで、その雑草すら若干萎びている。
あとは申し訳程度に枯れ木が一本。

綺麗にしたらそれはそれは荘厳なお屋敷なのだろう。

でも、少なくとも今の所は廃墟にしか見えなかった。

「ここが俺達の本丸だ。
俺と山姥切は主のところに行かなきゃならねぇ。
国広の事があるからな…。

で、泉はどうする。」

「私も一緒に行くよ。
主さんと一度話をしてみる。」

「そうか…まぁ、こんな所までついてきちまったんだ。あんたのやることを止めやしねぇが…気を付けろよ？」
「大丈夫。ありがとう。」

ひょいと後ろを振り返る。

「そんでもってここに来てからめちゃくちゃ静かなヒロくーん、大丈夫かなー？借りてきた猫みたいになってるぞー？」
「なっ！」
「ぶふっ！」

「そんなに固くならなくてもだーいじょうぶ。
君を傷つけたりさせないよ。」

さぁ、行こうか。

ーーー

「ここに主がいる。恐らく国広…堀川国広も。」

着いたのはこれまた時代劇にでも出てきそうな大広間の入り口。
ヒロくんが一本前に出る。

「俺から離れるな。」

随分と格好良いことを言うじゃないか。
少しドキッとしたぞ。

照れ隠しに彼の背中をポンと叩いた。

そんな小さな抵抗にはビクともしないヒロくん。
感触を確かめるように自身に手をかけると、そのまま広間の襖を開け放った。

「まんばちゃんだぁ。…おかえり。」

出迎えたのは着物を着崩した妖艶な女の人。
赤い口紅がやけに毒々しく見えた。

「言う通り連れ戻してきた。国広を解放してくれ。」

「『動くな』」

不思議な響きで彼女の声が響いたと思うと、兼さんとヒロくんの動きが不自然に止まった。
慌てて近寄ろうとしたところで自分の体も動かないことに気がつく。

ロープで緩く巻かれているような感覚。
何これ気持ち悪い。

そんな様子の私たちを見て彼女は目を細めた。

「いつ見てもいい気味ね。」

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冒頭の人物紹介に書きました、審神者の梓さん

20話目にして登場です。