【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ17)

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17、変なやつページ17

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和泉守兼定side

あの女に会って、わずかな時間しか経っていないはずだ。
でも、山姥切は確かに変わった。

もしかしたら、と思う。

もしかしたら…本丸も何かが変わるかもしれない。

そうこうしているうちに女…美好も戻ってきた。
光忠の色違いみたいな格好だな。

でも目を引いたのは首に貼られた大きな絆創膏だ。

「それ…悪かったな。」
「それ？
あぁ、大丈夫ですよ。唾付けときゃ治ります。」

女がそんなこと言うなや。

「お前、刀向けられるの慣れてんのか？」
「はい？」

「あぁ、いや…さっき刀を向けた時、思ったより動じる様子がなかったからよ。」
「刀そのものを見たのは人生で2回目なんですけど……ヒロくんにどうやったら危害が及ばないかとか考えてたからですかね。」

ヒロくん…ってのは山姥切の事だったな。

刀を向けられてる自分のことより、その後ろにいる奴のことを考えてたってことか。

全く、こいつは…

「思い出し震いしてきましたー」とか言ってやがる。
そんな思い出し笑いみたいな事があってたまるか。

「それより、兼定さん。」
「その兼定さんってのやめてくれや。兼定ってのは俺を作った刀工の名前なんでね。
せめて、和泉守か兼さんで頼む。」

「…じゃあ、兼さんって呼びますね。
兼さんも刀の神様なんですか？」
「あぁ、まぁ、そうだな。」

「なら、怪我は手入れってやつで治りますよね？
足引きずってて大変そうに見えます。
もし良ければ手入れさせて貰えませんか？」

…バレてたのか。

腰から自身の本体を外し、渡そうとして一瞬逡巡する。

だが、それはほんとに一瞬だった。

山姥切が横から俺の本体をかっさらっていきやがったのだ。
そのまま俺の本体は美好の手に渡る。

「なっ、おいてめぇ！」
「ヒロくん何やってんのぉぉぉぉ！？」

「まだ信用しきれてないのかもしれないが手入れを受けてみれば分かる。
…手入れしてやってくれ、頼む。」

俺と美好は黙り込んだ。

山姥切に羽交い締めされている俺を、美好は一瞥した。

目を閉じると、霊力を流し始める。

美好の霊力は、主のとは全く異なっていた。

あぁこれは…

温かいお湯に浸るような幸福感が満たした。
美好はこれでもかと霊力を送り込んでくる。

こちらが気恥ずかしくなるぐらいの愛情深い手入れだった。

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「ちょっと霊力出すの慣れてきたかもしれない！」

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要領のいいアホ