【刀剣乱舞】放っておけないので (ページ14)

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14、襲撃ページ14

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立ち上がって大きく伸びをすると背中が気前よく鳴った。
首を倒すと首も鳴った。

「今すごい音鳴ったの聞こえた？」
「いや。」

あら残念。まぁいいや。

ヒロくんの表情は昨日とは見違えるほどに穏やかだ。
その事が凄く嬉しい。

一言二言、言葉を交わしながら朝食のパンをかじる。
その後、今日こそは片付けを手伝うと言ってくれたヒロくんに任せてキッチンへ送り出す。

その時、何も無いところから大きな影が現れた。

「動くな。」

首元に刃が突きつけられる。

どこから入ってきた！？
っていうか今何も無いところから現れたよね！？

何者！？

盗み見るように刃を辿っていくと、日本刀を握りしめた長身長髪の男が座る私を見下ろしていた。

「山姥切をどうした、人間。」

山姥切って言った！

この人、ヒロくん関係者かもしれない。
敵か味方かは分からないけれど。

どうにか確かめなくちゃ。

「ここに居るのは分かってるんだ、答えろ！」
「…っく。」

切っ先が首に少し食い込んだ。
痛みに顔が歪む。

「おい、何が……和泉守？」
「山姥切！」

「ヒロくん！来ちゃダメ！」

この人が安全かどうかも分からないのにヒロくんに会わせる訳にはいかない。

お願い、逃げて！

ヒロくんはこの状況を見て理解したようだったが、逃げてくれない。

それどころかこちらに走り寄ると拘束の緩んだところから私を引っ張り自分の腕の中に閉じ込めた。

「…どういうつもりだ、なんでその女を庇うんだよ。」
「俺の命の恩人だ。」

彼は私とヒロくんを交互に見つめている。

「ヒロくん、知り合い？」
「あぁ。和泉守兼定、俺の兄弟の相棒だ。」

ということは二人は味方同士という事だ。
よかった。

さっきより幾らか殺気の和らいだ兼定さんと状況を理解した私が向かい合う。

「初めまして、真島美好といいます。
昨日の夜、ヒロくん…山姥切国広くんが表の通りに倒れているところを見つけて、一晩保護していました。」

「…和泉守兼定だ。山姥切が世話になったことは礼を言う。」

和泉守兼定と名乗った彼はギロっと私を睨んだ。

「何て言って山姥切を手なずけたのか知らないが、俺は騙されないからな。
…女は信用ならねぇ。」

この人もヒロくんと同じ境遇に置かれていた人だ。

油断ならない睨みの利かせ方が、昨晩のヒロくんと重なった。

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14話にして二振り目(笑)