検索窓
今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:94,876 hit

【第1章 :1話 出会い】 ページ3

「ち、ちょっと待て___」
「___なんのこと?」

Aは“エミリア“という名で銀髪を持つ主を探して王都中を駆け回っていた。
ふと、どこからか聞こえてくる話し声を耳が拾う。
そこに交じっている声には探している主らしき少女のものもある。主は、何処にいるのか。立ち止まり音に意識を集中させた。

「思ったより幻想的じゃねぇな。…なんか___」
「やって、くれやがったな…」

知らぬ少年の声に、ガラの悪そうな男達の声。
探し求めている主の声は聞きとれなかったが、どうやら状況はかなり悪い。
怒りが収まらない様子の男達を止めなきゃマズイ。Aが、声のする路地裏に向かう為にと足を踏み出した――その時

「囲んでぶっ殺す!二対一で勝てると思ってんのか、ああ!」

男が吐いた罵声を耳に入れた瞬間、Aは地にヒビが入る程に力強く踏み込んだ。


地を蹴り、風を切り走り抜けた先の路地裏では
男達と銀髪の少女__我らが主、エミリアが対峙していた。
相手が臨戦態勢なのを瞬時に理解。
Aは、流れる動作で細くすらりと長い愛剣を鞘から引き抜いた。
現れたAの姿にエミリアや、傷だらけで倒れている青年が目を丸くする。
青年や男達の注目も集まる中、Aは剣を突き立て


『―――これ以上の罵声は許さないから』


ボオッ____とたんに愛剣が燃え上がり、炎に包まれる。――いや、訂正しよう。Aの愛剣自体から炎が吹き出しているのだ。云わば、焔の刃と化していた。

「な、なん――!?」
「――!」

路地裏の奥の青年の顔色には恐怖で彩るのは知らぬ振りを決め込んだ。一方、男達は何も言えず口をパクパクさせるだけ

「二対一は厳しいけど…」
「三対一だから確実に君達が不利だよ?」

エミリアの声を引き続ぐように、割り込んで来る中性的な高い声
見せつけるように伸ばした左の掌には子猫が顕現していた。

「――せ、精霊術師に、魔法剣士だと!?
その服装は、近衛騎士団か!」
「覚えてろよッ!」

Aとエミリアが顕現させた子猫――精霊のパックの登場により青ざめた男達は幽霊でも見るかのように一目散に逃げ去っていく
Aは怒りを収め、発動した炎魔法を解除。
愛剣は元通りの姿に戻り鞘に収まった

「助かったよ。お嬢さん方、急いでいるんなら早く行った方が」

青年は格好つけて、そんなことを言うが不意に足元がよろめいて受け身ゼロで倒れ込む

『どうします?彼』

主の性格を知った上でAはわざとらしく問いかけた。

【第1章 :2話 初めまして】→←《舞台キャスト》



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (236 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
286人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

玲紋。 - 面白いです!読んでいて楽しいです!先が気になります。更新、頑張ってくださいね! (2017年2月1日 19時) (レス) id: 717061f029 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - ラキさん» すみません…現実の生活と小説を書く事の両立が難しくなっていまして本当に申し訳ないです。迷惑をおかけしますが気長にお待ち下さい。 (2017年1月30日 21時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
ラキ - 最近更新してませんねー (2017年1月29日 22時) (レス) id: e83b796b67 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - 飾華さん» 最高とまで言って下さり有難う御座いました!更新遅くなってすみません!なるべく出来るように頑張ります (2016年10月18日 22時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
飾華 - もう最ッ高です!次の展開が楽しみすぎる (2016年10月18日 17時) (レス) id: 7cff2cbe6d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:暁風の夢 | 作成日時:2016年6月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。