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【第2章:3話 路地裏の男達】 ページ14

「あ、あれ……?」


辿り着いた目的地。建物と建物の間にある、路地裏。だが、そこにはスバルでも、エミリアでも無い、人物が地面に横たわっていた。


「コイツら、って……」


その、地面に倒れている3人組。彼らの服装や顔立ち、目に映る光景が、先程の記憶が重なる。コイツらは、スバルに絡んだチンピラ共ではないか


―――ただ、辺りに落ちているナイフや、さっきまで喧嘩してました、と言わんばかりのボロボロぶり。未だに目覚めない小柄な男を見るに、随分と派手にやられたらしい


「……この人達は被害者か、人を襲い返り討ちにあった。こんな所かな」


ひょっこりと路地裏を覗き込むラインハルト。
冷静に状況を分析するも、現場を直接見ていない為、此れ以上は深入りするつもりは無いようだった。
勿論、Aも優しく接するつもりはない。先刻、スバルをあんな目に合わせた奴らなのだから。


「ねぇ、ちょ―っと聞きたいことがあるんだけど。黒髪で変わった服装の私と同じぐらいの男の子に、銀髪の女の子、知ってる?知ってるよね?何処行ったか教えて」


痩せぎすの男を上から見下ろしながら、問い詰める。彼は目を見開き、Aを凝視する。そして、その視線は下へと下りて行き、ふと止まった。


近衛騎士団の制服。
腰に提げている使い込まれた剣。
おまけに、Aの冷たい笑顔に、チンピラ達の顔色は、どんどん真っ青になっていく。


「な、アイツ、近衛騎士団を呼んだのかっ」


まるで鬼にでも会ったかのように、震える男。ここまで来ると、呆れを通り越して、人として情けなく思える。
本当なら、こんな男を相手になどしたくないのだが。


「そんなことはいいから、男の子と女の子を知らない?些細な事でも良いから」

「わ、分かった。だが、男の行き先なんて……女なんか会った事すら無い」


エミリアを知らない―――?
そんな訳無い。疑いの眼差しを向ければ、男はコクコクと頷いた。もう1人の男も


「事実だ!俺達は、あの男にやられただけだ」


と、必死になっている。嘘をついている事もあるが、可能性は低い。偽りを言う必要など無いのだから。
ならば、男達の言葉を信じると、スバルは既に、ここを離れた後ということになる。


『分かった。チンピラ達、今日は見逃すけど、次は無いよ』


それだけ言い残し、踵を返して路地裏を出る。どうする?と、聞いてくる先輩にAは行き先を告げた。

路地裏が駄目なら他には、彼処しかない―――。

【第2章:4話 束の間の時間】→←【第2章:2話 優しさに甘えて】



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玲紋。 - 面白いです!読んでいて楽しいです!先が気になります。更新、頑張ってくださいね! (2017年2月1日 19時) (レス) id: 717061f029 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - ラキさん» すみません…現実の生活と小説を書く事の両立が難しくなっていまして本当に申し訳ないです。迷惑をおかけしますが気長にお待ち下さい。 (2017年1月30日 21時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
ラキ - 最近更新してませんねー (2017年1月29日 22時) (レス) id: e83b796b67 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - 飾華さん» 最高とまで言って下さり有難う御座いました!更新遅くなってすみません!なるべく出来るように頑張ります (2016年10月18日 22時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
飾華 - もう最ッ高です!次の展開が楽しみすぎる (2016年10月18日 17時) (レス) id: 7cff2cbe6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁風の夢 | 作成日時:2016年6月3日 21時

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