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【第1章: 9話 始まりの終わり】 ページ11

「スバル……?」



何かが壁にぶつかったような衝撃の音に、Aもエミリアも眉を潜めた。

何かが起こっている。

そう直感した2人は、そっと扉を開いた。
盗品蔵の中は暗闇で、何も見えない。
あるのは、先程スバルに渡したマグナイト鉱石の光だけ。
―――何故、光が地面に転がっている?

「スバル」

姿の見えない彼の名を不安げに呼びながら、Aに続いてエミリアも盗品蔵へと足を踏み入れた。その時________

『エミリア様ッ!!』
「―――!」

闇に紛れ近付いて来た殺気。狙いはエミリア。
Aは咄嗟にエミリアの背を突き飛ばした。
反射的に腕を体の前で交差させて防ぐも、不気味に光る凶器は容易くその防御を切り裂く。

『うあ――ッ!』


攻撃の勢いを止めきれずにAの身体は、呆気なく宙を舞った。うつ伏せの状態で地に叩きつけられる。

―――熱い、熱い、熱い、熱い、熱い
熱さという名の痛みが猛烈に襲う。全てに支配される意識の中で頭上で微かに弱々しい声がした。

「……A…」

その声は、既に聞き慣れてしまったあの青年のもので。貴方には、ずっと笑っていて欲しかった。

「―――っ!」

小さな悲鳴と共に、彼女はAの居る血溜まりに新たに加わった。

彼女は、エミリアは、Aの守りたかった主で。助けたいのに、Aには伸ばす手さえ無くて。此では剣を持つのはおろか、立ち上がり仇を討つことさえ出来やしない。

まだ、命はあるのに。
まだ、足掻けるのに出来ないのがもどかしい。

「あらあら、驚きだわ。噂の女性騎士さんが、まさか元はお人形さんだったなんて」

嬉しそうな女の声が響く。
暗闇で姿が見えないが、コイツがエミリアとスバルを殺した奴だと確信できた。


「魔法で作り替えられたのね。凄いわ。球体関節をもつ人間なんて初め」


唐突に何かの強制力によりAの意識が消されていく。
ナツキ・スバルの命が途切れたことと同時に、セカイが、切り替わる――――――

【第2章:1話 消えた悪夢】→←【第1章 :8話 嵐の前触れ】



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玲紋。 - 面白いです!読んでいて楽しいです!先が気になります。更新、頑張ってくださいね! (2017年2月1日 19時) (レス) id: 717061f029 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - ラキさん» すみません…現実の生活と小説を書く事の両立が難しくなっていまして本当に申し訳ないです。迷惑をおかけしますが気長にお待ち下さい。 (2017年1月30日 21時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
ラキ - 最近更新してませんねー (2017年1月29日 22時) (レス) id: e83b796b67 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - 飾華さん» 最高とまで言って下さり有難う御座いました!更新遅くなってすみません!なるべく出来るように頑張ります (2016年10月18日 22時) (レス) id: 050b98d021 (このIDを非表示/違反報告)
飾華 - もう最ッ高です!次の展開が楽しみすぎる (2016年10月18日 17時) (レス) id: 7cff2cbe6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁風の夢 | 作成日時:2016年6月3日 21時

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