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『てっちゃ…、』
「ベッド行こうな」
『……っ、』
靴を脱いであがると一直線に寝室へ運ぶ。
ゆっくりとベッドにおろすと蕩けたみたいな視線が俺に絡む。…同時に、きゅっと遠慮がちに握られる袖。
『どっか、行っちゃう…？』
…そんな顔してる子放って、俺がどこ行くん。
「行かんよ。熱は？」
『微熱、くらい、』
「眠い？」
『…眠くな、ぃ』
「ウソこけ」
緩く落ちてくる瞼に優しくキスすると俺の袖を掴んだまま微睡んでいく彼女。
俺と一緒に居たいって気持ちを全面に出しながらも、抗えない眠気にすっと意識を飛ばした。
「――はよ、良くなりん」
袖を掴んでた彼女の手をベッドに戻してやって。
“辛いなら俺が貰ってやるから”、って思いを胸に……もう一度唇を奪った。
ドラッグストアで買った水とスポーツドリンクを近くの机に置いてから、その他のものを冷やしとくためにキッチンに向かう。
何種類か買い込んだ栄養剤とゼリーを冷蔵庫にぶち込んで、すぐに寝室に戻った。
そんなすぐ起きないと思うけど、――不安に思って欲しくないから。
ベッドサイドにしゃがみこんで手を取ると、弱々しく握り返されてちょっとだけ驚いた。
…寝てんのにさ、何でこんなストライクゾーンど真ん中なこと出来んの？
髪を梳かすように撫でると、繋いだ手から伝わる熱と苦しそうな呼吸に顔を顰める。
その熱を逃がしてやるように、強く手を握ると辛そうな表情から解放されふわりと頬を緩めた。
『…てっちゃ、ん』
「っ、――それは反則だら」
呟かれた俺の名前は、爆弾みたいな威力で。
どくんと鳴った瞬間 一気に心臓が煩くなって、すやすやと眠る彼女を尻目にひとり溜息を吐いた。
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遊馬(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 誕生日にUPが間に合ってよかったと一安心しております。おめでたい！！そしていつもご愛読有難うございます…！深夜0時にもかかわらず、一番で評価・お気に入り・コメント頂けてとても嬉しいです。更新はゆっくりになりそうですが今後とも宜しくお願いします(笑) (2020年10月30日 14時) (
レス) id: 292e8772db (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 第1評価＆お気に入り(多分)はいただきましたっ！！！新作…しかも橙さん……嬉しすぎます！！！お誕生日もおめでたいですね！更新、楽しみにしております！！！！！ (2020年10月30日 0時) (レス) id: 294927c63e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊馬
| 作成日時：2020年10月30日 0時
