1. やわらかな溺愛 ページ1
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「てつやってさ、意外と釣った魚に餌をやらないタイプだよね。」
…って。多分虫さんかその辺りのやつに言われた。
言われたそん時は思い当たる節が多くて“確かに！”なんて言って笑ってたけど、それは彼女だった子に俺の気持ちが靡いてなかっただけだった。今ならわかる。
だって振り回されるタイプじゃなかったはずの俺が、振り回されてるもん。毎日。
てっちゃんって可愛く呼ばれちゃもうダメ、完全にお手上げだわ。
何時に呼び出されても駆け付けたいし、可愛い顔は見せたくないし、いつもいつも心配でしょうがない。
行きたい所、やりたいこと…全部俺がしてあげたい。
「こんなんなるとはなぁ…」
『へ？』
「いや…ひとりごと」
『……ふぅん』
大きめなパフェの影からひょこっと頭を覗かせて俺を見詰めるAは唇を尖らせた。多分俺が曖昧な返事をしたからだと思うけど。
……そんな顔も可愛い。
口の端っこに生クリームがついてるのが見えて思わず笑うと、ムッとした表情が更にきつくなった。
「ついとるよ、クリーム」
『え？どこ？』
「右の端っこ」
『ここ？』
俺が自分の口元を指しながら言うと鏡写しになっちゃうのか左側を拭く彼女。さっきまで不機嫌だったのが嘘みたいに真剣だし、どこまで行っても天然で可愛い。(笑)
「こっちだって」
親指ですくって舐めると少し固まった彼女がぶわりと真っ赤になった。
『っ……てっちゃんのバカ！』
「ええ！？だって反対だったやん」
『反対って言ったらわかるもん！』
きゃんきゃんと吠える彼女が急に静かになって、ゆっくり俯き小さく呟く。
『――――、』
「……え？」
『な、ななな、なんでもない！！』
真っ赤になった顔を隠すように食べ進める彼女に俺はそっと囁いた。
「――可愛すぎて狡いのは、お前だら。」
ピタッとスプーンが止まって、口をぱくぱくするA。
生クリームが滑り落ちそうになったのを見て、そっとスプーンを持ってる手ごと掴んで俺の口へ放り込んだ。
(“かっこよすぎてずるい”…なんてずりぃよ。)
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遊馬(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 誕生日にUPが間に合ってよかったと一安心しております。おめでたい！！そしていつもご愛読有難うございます…！深夜0時にもかかわらず、一番で評価・お気に入り・コメント頂けてとても嬉しいです。更新はゆっくりになりそうですが今後とも宜しくお願いします(笑) (2020年10月30日 14時) (
レス) id: 292e8772db (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 第1評価＆お気に入り(多分)はいただきましたっ！！！新作…しかも橙さん……嬉しすぎます！！！お誕生日もおめでたいですね！更新、楽しみにしております！！！！！ (2020年10月30日 0時) (レス) id: 294927c63e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊馬
| 作成日時：2020年10月30日 0時
