お家にて ページ10
「あ、そういえばさっきなんか和田さんからいただいたな」
解散後、無事にファンに刺される事なく帰宅した私は、先ほど和田さんに握らされ、ポケットに入れたままの存在を思い出した。
クローゼットに向かいポケットから物を取り出す。それは4つ折りにされた、いたって普通の紙だった。それに書かれている中身以外は。
「え…ラインのID?」
そう。真っ白な紙の中心にはペンで書かれたラインのIDが書かれていた。でも名前がない。
「これ…和田さんの…かな」
やっぱり直接和田さんからいただいたんだから、そうなのかな?
和田さんが他の誰かの連絡先を勝手に渡すとも思えないし。
「でも貰ってもどうすればいいか…、とりあえずこの人に聞いてみた方がいいかな」
思い立ったが早速ID検索をすると、検索結果に出たのはやはりあの人の名前。何でか少し心が踊った。
メッセージを送ると、既読はすぐについた。
「良かった、連絡してくれて!」
「あの、和田雅成さんで合ってますよね…?」
「そうです!連絡無かったらどうしようかとドキドキしてました」
「いいんですか?こんな一般人にライン教えて〜」
「ラインはいいんです!普通の友達だっていっぱいいますから!」
てことは、Twitterとかはできないんだな…。
「あ、そうなんですね」
「せっかく2回も偶然出会ったのに、もっとお話したいな、と思って。まだ名前も聞いてないですし」
そうだ、私は肝心な名前をまだ一度も和田さんに言ったことがない。今気付いた。
「あ、Aと申します。すみません名前まだ言ってなかったですよね」
「やっとお名前聞けた!Aさんね、覚えた!」
「でも私なんかとお話ししても何も得られるものはないと思いますよ?」
「そんな損得で考えてませんから!ただお話したいだけです!」
「まぁ和田さんの愚痴とかならいくらでもお聞きしますよ。裏話とかも興味有りますし」
いつしか、優華のお土産話にできるかもしれないしね。
「ははっ、ありがとうございます。じゃあ遠慮なく愚痴っちゃおうかな!」
「今日はとりあえず、もう寝てもいいですか?お酒が回ってきてしまって…お話は明日にでも」
「あっ、そうか!すみません、勝手に連絡先を渡したりして。ご迷惑でしたよね」
「あっ、いえ、迷惑なんてことは!むしろ嬉しいです!」
これは本音だ。まさかラインで会話できるなんて今私は騙されているんじゃないかと何度思ったことか。
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もも(プロフ) - 返信ありがとうございます!!! いえーーーい!お待ちしてましたーー!!!笑 (2018年7月9日 6時) (レス) id: d113db31be (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - ビビ美さん» ビビ美さん、はじめまして!読んでいただき、また読み返していただき、ありがとうございます!続編も早めに出したいと思ってますのでこれからもよろしくお願いします。私は北在住なので、涼しい方です。ビビ美さんこそお体ご自愛なさってくださいね。 (2018年7月9日 0時) (レス) id: dc07f22dbf (このIDを非表示/違反報告)
ビビ美 - これから展開が一気に広がるとのこと、更新が待ち遠しくて仕方ありません。毎日暑いですがお体に気をつけて執筆活動なさってください。毎日読み返します..! (2018年7月8日 18時) (レス) id: 9ea1c3fba9 (このIDを非表示/違反報告)
ビビ美 - あいす様。初めてコメントさせていただきます!先月にこちらのサイトを発見してから先が気になって一気に読んでしまいました(*^_^*)じわじわ進展していく様子と和田さんの人柄の良さの描写がギュンギュンきます..! (2018年7月8日 18時) (レス) id: 9ea1c3fba9 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - ももさん» ありがとうございます。50話に到達しましたので、続編に続きます。ここら辺から、一気に展開を広げていこうと思っています。よろしくお願いします! (2018年7月8日 17時) (レス) id: dc07f22dbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいす | 作成日時:2018年1月21日 0時