優しいあなたに

観劇2 ページ5

優華のグッズ買いに付き合って、中心より前らへん(優華は結構運がいいという)の席につき、間もなく開演した。

役者さんみんな演技上手だなぁ…女性っぽいキャラもいるけど、これ全員男設定だよね？

次々出てくる個性豊かなキャラクターに私の心もわくわくしていた。

薬研…？あんなに太ももを出せるなんて…私より綺麗な足かも。

おっ、新しいキャラクターの登場だ。…長谷部って言うのか。なんか神父みたいな服装でかっこいい！…………ん？なんかあの人どこかでみたことあるような…テレビとかに出てたのかな。

少し頭で引っ掛かったものの私は特に気にしなかった。






「あーーー！すっごい感動したわ泣いた泣いた。こりゃトイレ駆け込まなければ」

明るくなった会場で優華はハンカチで目元を押さえていた。

「そうだね。感動した！」

「でしょ！？いやぁAなら分かってくれると思ってた〜」

本当に凄いの一言に尽きた。物語にこんなに引き込まれるなんて。一人一人の役者さんの立ち回りとか話し方とか、原作を知らなくてもそのキャラがどんなキャラなのかよく分かる。ああ、舞台ってこんなに素晴らしいんだなぁ。
思わず余韻に浸ってしまった。

「今度DVD貸すから見て！日替りとかもあって面白いから！」

「そうなんだ！ありがとう。これははまっちゃうかも…」

日替わりなんてあったんだ。軍議、ってやつかな？

「どんどんはまれ〜！沼に！！」

と笑いあいながら私たちは周りの流れに沿って会場を出た。

「今日は楽しかった！誘ってくれてありがとう！」

「いえいえ、私も助かったよ！サンキュー！また今度なんかあったら誘うね」

「え！いいの！ありがとう」

「はーい。んじゃ、またね〜」

家の方向が違うため、自然と解散の方向に向かい、お互い手を降って別れた。

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