ぜんいん家 ページ1
ドンッ
今日もわたしの『ぜんいん家』での生活がはじまる
「ほんっまに腹立つ顔しとんなぁ……甚爾君の娘って嘘やろ」
「やはり女は良くない。息子の方に期待するしかないな」
「いい加減に逆らうことをやめなさい。……女は控えていないと殺されるわよ」
わたしはパパに売られた
でも多分あんまりお金にはならなかったと思う。…女はここではさべつされる。その場しのぎみたいなものだったはず
それでもわたしは……パパのためならなんだってできるよ
パパは世界一かっこよくて…『かわいそう』な人だから
バシャッ『!』
「あーあ、手滑らしてもうたわ。床、拭いといてな」
『………』
「…Aちゃん、何歳やったっけ?」
『5さいです』
「ほんなら、今のうちに覚えといた方がええこと教えてやるわ。………黙って後ろついて言われたことだけやっとき。俺が間違えてAちゃんのこと踏み潰す前に。女に生まれたのを悔やむんやな」
ここにきて、10日はたった
わかったことがあるんだ
『女がいないとなにも出来ないくせに』ボソッ
「…………ぁ"??」
パパは、くさった場所で生きてきたんだ
わたしは、ぜんいんA
パパは世界一かっこよくて世界一かわいそうな人
はなればなれでも、パパが少しでもしあわせに暮らせてるならそれでいいの
わたしはここでひとりで生きのびてみせる
パパに自分で会いに行けるようになりたい
そのために………「呪術」を学ばなきゃ
「甚爾君、どこ見てるの〜?」
「……別に」
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作者名:白い馬 | 作成日時:2023年2月25日 20時