首輪が三十七個 ページ38
俺がカウンターの上に置いたのは
貴「滅びし国に君臨した王家の紋章。この紋章を見た時、昔見た新聞を思い出してな。」
店員「フロー、様ｯ!!」
店長「まだ、持っていらしたんですね。あれ程、お捨てになるように言ってましたのに。」
辛そうに王族の紋章が金色に彫られた青色の小さいクリスタルの石のネックレスを見る。
貴「んで、お前達はフローを強く育てたが、食い物面では自分達は全然分からなかった。
だから、店員は買い出しという名目で
フローの寝床に一定時間にパンを届けに行っていた。
フローの誕生日には、それなりに2人で豪華に用意して渡してたんだろ？
だからアイツは、餓死をしなかった。食べ物があったから。｣
店長「そこまで言われては、認めるしかありませんね。」
自称気味に笑って、そっとネックレスを、俺に返した店長。
俺はネックレスを懐に入れながら
貴「……俺が来たあの日、本当はもっと早く行く筈だったが、俺のせいで行けなかった。
だから、フローは自分で飯を取りに行くしかなかった。
店長があの時、何故俺にフローの事を話したのか
ずっと気になっていたが、全部分かったよ。
フローは、今まで盗みを働いた事がねぇ、だろ？」
店員「そうだ。フロー様は、盗み等、今までした事が無かった。
いや、俺達が、させない様にしていた。」
目をキツく瞑り、そっと眉間にシワを寄せながら目を開き、自分の手を見つめる店員。
店長「あの日、私がアナタにフロー様の話をしたのは
必ずフロー様が盗みをし、追い掛けられるのを分かっていたからです。
挙句に、殺されでもしたら、私達は王に合わせる顔がありません。
ですから、アナタに助ける様に、興味を持てる様にお話をしました。」
貴「やっぱりな。それで、俺は案の定助け、気に入った。
俺はテメェらの思う壷に動いたって訳だ。」
店員「利用する様な真似をしたのは、悪いとは思ってる。
だが、俺達には、こうする方法以外なかったんだｯ!!(ﾀﾞﾝｯ」
拳を握り、カウンターを殴った店員。何を怒ってやがる、何を悲しんでやがる。
一番、誰が辛いとｯ!!
俺は店員の胸ぐらを掴み、殴り飛ばす。
貴「甘ったれた事言ってんじゃねぇ。確かに、テメェらも辛い思いはしただろうよ。
だがなァ、誰よりも、たった一人孤独に立ち向かい、生き残ろうと足掻いたのは
テメェらじゃねぇ、フローだ!!今まで、どんな思いで、過ごしてきたと思う？」
あぁ、自分の過去がチラついて、うぜぇ。
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黒狐(プロフ) - みさっとさん» ありがとうございます!!楽しめていただけて何よりです!! (2018年4月12日 7時) (
レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
みさっと - ヤバイ！見てて楽しい！!!ヽ(ﾟдﾟヽ)(ﾉﾟдﾟ)ﾉ!! (2018年4月12日 1時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - クラインさん» ふぁっ！？←わ、わた、私に語彙力等という大層なものはありませんよ！？いえ、とっても嬉しいんですが恐れ多すぎですよぉ//;でも、本当にありがとうございます！ﾌﾛｰ「えと、クライン、ありが、とぉ////」 (2018年3月5日 21時) (レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
クライン(プロフ) - フロー!!!!羨ましいぞｺﾝﾆｬﾛｰ!!!! でもかわいいから恨めない！ 本当黒狐さんの語彙力には文句の付け所が見当たりません(*´∀｀*) (2018年3月5日 20時) (レス) id: ddf821dd9e (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - 中村千尋さん» ありがとうございます！私も早く更新できるように頑張ります！！ (2018年3月1日 21時) (レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
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