捌の札 ページ9
NOside
翌日の朝。ぽふんっと誰も居ないリビングに音を響かせ、出て来たのは狐影。
トトトッと、可愛らしい足音を立ててこの家の奥にある一室に向かう。
ゆっくり開け、部屋の主に近付いていく狐影。その表情はどこか不安げだった。
狐影「……主、起きるのじゃ。今日は有馬殿に呼ばれておるのじゃぞ？」
貴「ん、んぅ〜、面倒臭い……zzZ」←
折角起こしたのにまた寝てしまったA。狐影はそんな彼女の頭を尾で叩き、また話し掛ける。
狐影「ﾍﾟｼｯ)その様な事を申しても仕方あるまい。早よ起きるのじゃ。」
貴「んん〜〜、やーーー。」
狐影「ﾊｧ､有馬殿の事じゃ、もしかしたら直々に難易度の高い任務かもしれんのじゃぞ？」
貴「………………戦闘？」
彼女の扱いはとても簡単だ。戦闘に近い話をチラつかせれば目の色を変えて直ぐに食らいつく。
狐影「もしかしたら、そうかもしれんのぉ。なのに主は、このままここで寝て過ごすつもりなのか？」
貴「行きたいけど、行くまでが面倒い。」
狐影「たまには歩いたらどうじゃ？」
貴「ヤダ。天馬は？今日は、来てくれなかったの？」
布団に埋めた顔を少し上げて狐影を見捉えるA。
狐影はその問に少し戸惑いつつも、主に嘘は付けないため素直に答えることにした。
狐影「来ておらん。主よ昨日何か天馬殿にしたのか？」
貴「してなーーい。それより、天馬来てないんだ。なら、狐影、おぶって。」
天馬が来ていないという事実に悲しそうに呟いたA。
狐影「ワッチのこの体格を見てよう言えたのぉ？」
顔を怒りでひくつかせながら主を見下ろす狐影。
貴「なら、しょうがないねぇ。たまには歩くよ。」
狐影(いや歩くの当たり前じゃから。)←
心底面倒くさそうに立ち上がり、狩衣に着替えていくA。
髪の毛は寝癖でボサボサ。だが、それを戻すという思考回路はAには無い←
ボサボサすぎる髪は目が隠れ、Aが髪に埋もれ縮こまれば水色の毛玉が出来る←要らねぇよその情報!!by黒狐
貴「狐影ー、何時に行けばいい？」
狐影「そうじゃのぉ、今から行けば丁度良いのではないかのぉ？」
貴「なら行くかぁ。狐影、おいで。」
狐影「む、分かったのじゃ(ﾋﾟｮﾝｯ」
軽く飛んだだけでAの肩に着く。そのままAの頬にスリスリする狐影。
Aは静かに顔を傾けた後、家を出て有馬が居る会議室に向かって歩く。
寝ぼけ目で、フラフラの足取りで。いつも前に感じている温もりを無くしながら。
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黒耀(プロフ) - ひなさん» おぉぉぉおおぉ、ありがとうございますぅぅぅううううう!!!!← (2019年12月1日 17時) (
レス) id: 6196cbc98e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 久しぶりに来たけど…やはり良きでしたぁぁあ！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 3bd71a33c3 (このIDを非表示/違反報告)
黒煙(プロフ) - 徒花さん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張ります!! (2019年4月5日 10時) (レス) id: 5fa825777d (このIDを非表示/違反報告)
徒花 - この作品初めて見ましたが面白かったです！頑張ってください (2019年4月4日 13時) (レス) id: 5d280f12f7 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - 碧泰さん» ありがとうございます！更新頑張ります!! (2018年10月17日 5時) (レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
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