拾陸の札 ページ17
嫌だと駄々をこねるA。俺はなだめながら言い聞かせる。
天馬「A、行こう。俺も一緒に行くんだぞ？んん？」
貴「でも、嫌だ。行きたくない。」
狐影「天馬殿、無理に主を急いて連れてゆかなくとも……。」
天馬「お前は黙ってろ。」
俺は黒ジジイ狐を軽く睨み、黙らせる。そして俺はまたAに言い聞かせる。
貴「嫌だ、あそこには、戻りたく、無いｯ!!」
とうとう俯いて静かに泣き出したA。
天馬「ﾊｧ､A(ｽｯ」
貴「ﾋﾟｸｯ)…………何？」
俺はAの前まで移動し、跪き、Aの手を取った。
そしたら、俯いていた顔を少しあげ、俺を見る。
天馬「俺が、命に変えてもお前を、Aを守る。俺の側から離れさせねぇ。
俺がお前を、安心させてこの島から連れ出す。
その役目を俺に、与えてくれねぇか？んん？(ﾆｺｯ」
貴「………ほん、と？」
天馬「あぁ。」
貴「嘘じゃ、無い？側に居て、くれる？｣
天馬「俺はお前に嘘はつかねぇよ。それに、今までだって側に居たろ？」
貴「…………なら、…………………く。」
天馬「ん？何だって？」
貴「天馬が一緒なら、行けるかもしれないから、行く(ﾆｺｯ」
フワリと笑ったAを、心底美しいと思い、愛おしいと思った。
こんなに触れ合えて、側に居るのに。俺の望んでる形でお前は俺の隣にいない。
でも、お前がそうやって安心して笑えるなら、俺は何でもしてやる。
天馬「ｷﾞｭｯ)絶対に、あんな思いはさせねぇ。」
貴「ありが、とぉ。天馬…………zzZ」
こてんと眠ってしまったAを、俺は横抱きにして寝室の布団に寝かせに行った。
ちなみに、何でこいつがこんなにも本土を嫌がるか。
本土に遠征任務として父親と二つ下の従兄弟と行った時
2人は臨時で学校に行ってたんだ。2人とも容姿端麗、成績優秀。
そのせいで周りにイ ジメを受けていた。あまりにも陰湿すぎるそのイ ジメに
従兄弟は自 殺をしたらしい。父親は自分の子でなく、兄の子だったために、気を病んで
禍野の任務でわざとケガレに殺されるという自 殺をした。
Aだけが、心壊れたまま、帰ってきたんだよ。今じゃ、何とか持ち直したがなぁ？
〜オマケ〜
1匹、リビングに残った狐影は、先程の二人のやり取りを思い出し
狐影「あれって、何気にプロポーズじゃよな。
あれを無意識にやる天馬殿には恐れ入ったわい。
早くそれが実現すると良いのじゃがのぉ;」
1匹、呆れている狐影だった。
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黒耀(プロフ) - ひなさん» おぉぉぉおおぉ、ありがとうございますぅぅぅううううう!!!!← (2019年12月1日 17時) (
レス) id: 6196cbc98e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 久しぶりに来たけど…やはり良きでしたぁぁあ！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 3bd71a33c3 (このIDを非表示/違反報告)
黒煙(プロフ) - 徒花さん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張ります!! (2019年4月5日 10時) (レス) id: 5fa825777d (このIDを非表示/違反報告)
徒花 - この作品初めて見ましたが面白かったです！頑張ってください (2019年4月4日 13時) (レス) id: 5d280f12f7 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - 碧泰さん» ありがとうございます！更新頑張ります!! (2018年10月17日 5時) (レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
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