エンマのお兄様！？第2弾【妖怪ウォッチ】

兄が20人 ページ24

noside

さっきまでのタレ気味の優しい目から鋭く、獲物を捉えるような殺気を含んだ目に変わり

中性的で少し高めの声から一気に低くなった、そう、咲枝は

ｵﾛﾁ「おと、こ？」

咲枝「私、一度も自分から女だなんて言った事無いわよ？

まぁ、今は私の事なんてどうでもいいの。それで？

そこの坊ちゃんは、アイツに後悔乗り越えて会う自身があんのか？」

ｴﾝﾏ「………ある。」

咲枝「ﾌｯ､なら、話しましょうか。悲しい、彼のお話を。」







〜過去編〜

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先代閻魔と2代目閻魔、先代は隠居をして、2代目がその当時は国を治めていた。

2代目はとても勇敢で優しく、民達のために行動し、とても慕われていた。

そんな彼には正妻と1人の側室が居た。

2代目は正妻との間に次の跡取りを最初に作らねばならなかったが

2代目は側室ばかりを可愛がった。そして、側室との間に子供が生まれた。

決して望まれない子が。

2代目「俺より少し鬼覚(きさと)に似ているな。」

鬼覚「そんな事はありません。貴方様によく似ておいでです。」

2代目「名は、そうだな。Aにしよう。」

そう、望まれないで生まれたのが、彼、Aだったのだ。

100年、人間からしたら、生まれた子供は1歳になる。

貴「うぅー、あー？」

2代目「Aはあまり泣かないし、静かな子だな。」

鬼覚「2代目様、お仕事しなければいけませんよ？ぬらりさんがまた探しておいでです。」

2代目「ｸｸｯやはりお前に嘘はつけないな。

流石は、覚りの王妃、"透覚視(とうかくし)"だな。」

鬼覚「妖怪として名が嫌いと知りながら、意地の悪いお人ですね。」

2代目「鬼覚、愛している。それじゃ、行ってくる。」

Aの母は覚りと呼ばれる妖怪の王妃。全てを見透す妖怪。

過去も未来も今も人の心も思考も、何もかも全てが見えてしまう。

Aが大概の事が分かるのは、少なからず母の血を引いてるからである。

そして500年の時が経った。人間で言う、Aは五歳になった。

貴「ｷｬｯｷｬｯ)ヒャー！かみちこうきー!!」

無邪気に庭で自分の作った紙飛行機を飛ばし、それを追い駆けて遊ぶA。

大臣1「ﾁｯ､何故2代目様は側室との間に長男を(ﾎﾞｿｯ」

大臣2「要らぬ子がｯ｡崇拝なる王家の面汚しの子(ﾎﾞｿｯ」

貴「ﾋﾟｸｯ)………こんろはねこしゃんちゅくる！」

聞こえてくる自分への悪口を聞こえない振りして自分を隠す。

それが、五歳になったAの日常だった。

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