エンマのお兄様！？第2弾【妖怪ウォッチ】

兄が17人 ページ21

noside

兄に認めてもらえれば、きっと、他の奴等にも認めてもらえる。

そう思うのに、事実、兄が戻れば

"何故、大王様は出来ぬのか。A様は簡単に出来たのに。"

―黙れ―

"A様は今の貴方様よりも、幼き頃より出来ておられましたよ？"

―黙れ！―

"やれやれ、上は出来ても、下は出来損ない、ですかな？"

―黙れ!!黙れ!!!―

"やはり、A様が一番王に相応しいお方だ。"

―兄さんなんか、キエレバイイノニｯ!!!!―

部屋で蹲って、怒りを沈めようとするエンマの元に

貴「ｺﾝｺﾝｯ、ｶﾞﾁｬ)エンマ、どうしたんだ？」

ｴﾝﾏ「！兄さん……。」

貴「具合悪いのか？大丈夫か？」

ｴﾝﾏ「……平気。」

貴「そうか？なら早めに仕事に戻れよ？お前も王なんだ。

のんびりなんて((ｴﾝﾏ「うるせぇよｯ!!!!!!!」エンマ？」

ｴﾝﾏ「うるせぇよ、一々一々、兄さんには関係無いだろ!?

何だよ、王になれなかったからって

裏で俺にあれこれ言って王になったつもりかｯ!?」

貴「そんなつもりはねぇ。本当にどうした、エンマ。」

訳が分からないという目でエンマを見るA。

そんな彼の態度が、更にエンマの怒りに火をつける。

ｴﾝﾏ「アンタのせいだろ!?アンタが勝手に消えてからも

アンタが戻って来てからも

あんたのようにと周りが口うるさく言う!!

俺は、アンタじゃねぇんだよ!!何なんだよ、周りのヤツらも、アンタもｯ!!

目障りなんだよ、なぁ、消えてくれ。頼むから、キエロヨ、"A"ｯ!!」

深い憎しみを胸に、エンマが俯けた顔を上げてAを睨むも、直ぐに目を見開く。

貴「……ｯ(ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ」

兄が、誰にも涙を見せなかった兄が、今、泣いているのだ。

その事実に驚きを隠せないエンマ。口を開こうにも、動けない。

貴「………悪い、エンマ(ﾀﾞｯ」

そう一言だけ言い残して、消えたA。

初めて見た、弱い兄。そんな、兄を見て、自分の言った事に後悔する。

兄が悪い訳では無いのだ。自分がちゃんとやらなかったから。

兄は、いつだって率先して物事を片付け、自分に自由を与えてくれた。

どんなに仕事で疲れ、忙しくても、最終的にはエンマの願いを聞き入れてくれた。

そんな兄を助けたくて頑張って来た。

なのに今の自分の発言は八つ当たりにも程がある。

ｴﾝﾏ「あ、兄さんｯ、ごめ、俺ｯ!!」

涙が止まらない。悔しさでで唇を噛み締める。

謝らなければいけないのに、体が動かない。

それが後に、事件になるとも知らずに。

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