ほろ甘い贈り物*2 ページ19
.
「A〜終わったぁ？」
「ぁぅ………トン氏、キッチンに来ちゃダメって」
「やって腹減ったし、余りでええからそれくれん？」
流石に待ちきれず甘ったるさに囲まれながらキッチンで作業するAに後ろから覆い被さる。
びくりと肩を揺らしたAの手元のチョコをくれくれと強請っていれば、粒状になったチョコが口元に運ばれたのでぱっと口を開いて迎え入れた。ほろりと口の中で溶けていく柔らかな甘さに満足気に唇を舐めればおいし？とAが俺を見上げるので軽く頷く。
もう一個、と頼めば仕方ないなと言うようにもう一粒が口元へ。
ぱくりとそれを食べて、舌の上で少し溶かすとAをこちらに向かせその唇を食んだ。とろりと溶けたチョコを彼女の口内に押しやると、Aの頬が色付くのが視界の下の方でチラついて、悪戯に彼女の唇を舐めてゆっくりと唇を離した。
「美味かったやろ？」
「…も、トン氏、やだ」
「なんや、俺のためにこんな朝っぱらからチョコ作りしとったくせに」
「大先生達にあげるのもあるし…」
「どうせこの辺の欠片やろ」
とことん意地悪に返してやればちゃんと作ったもんと抗議された。適当に流すと、トン氏のはいっぱいあるから後でちゃんと食べて、と真っ赤な顔で告げられる。多分冷蔵庫の中には様々なチョコで溢れているんだろう。
Aの頬を包んで軽く唇にキスを落とすと、俺一人じゃ食べきれんしAも手伝ってな？そう言って今日の予定を入れれば恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに頷くAにじゃあまず朝飯やな、とキッチンの片付けを促した。
.
Happy Valentine Day!
甘々なトン氏とのお話でした。
私は学校で一日を浪費しましたが皆様にあたたかな二人を届けられたら幸いです＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1451人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虚無虚無(プロフ) - うわぁあぁあぁぁあ...2回告白してるの、すごい、良い...一回目と2回目の2人の心境の変化が尊すぎる...すごい素敵な作品でしたぁぁ...(´∀｀) (2022年8月22日 1時) (
レス) @page39 id: f8fcf9d3c8 (このIDを非表示/違反報告)
キラキラ(プロフ) - このなんとも言えない歳の差がまたいい！！しかも、ut先生、友達にいてほしいタイプの性格しとるやん！ホワホワして面白い作品でした！ (2020年9月23日 5時) (レス) id: 02d317e515 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - かえでさん» 最後までありがとうございました！くずせんせにはちょこちょこ頑張ってもらいました。笑 歳の差なりの曖昧な距離感も難しかったのですがご満足いただけて幸いです。またご縁がありましたら宜しくお願いします〜 (2020年3月17日 23時) (レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - 雪那さん» 最後までありがとうございました！全部すっ飛ばして結婚から申し込む、ちょっとした駆け引きみたいなキーワードとなっておりました。お気持ちが聞けて嬉しいです。またご縁がありましたら宜しくお願いします〜 (2020年3月17日 23時) (レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - あるまさん» 最後までありがとうございました！またどこかでご縁がありましたら宜しくお願いします〜〜 (2020年3月17日 23時) (レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒスイ
| 作成日時：2020年1月26日 17時
