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029号室 ページ30

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「間違ってたらどうしよと思ったけど、合っててよかった。THE ORAL CIGARETTESの山中拓也です。GENがいつもお世話になってます」






……信じられないが、いやはやこう見るとやはり、イケメンというか、男前だなというか、色気ダダ漏れすぎひん?というか。


さてはて無事に私は平常心を装えているんだろうか。大丈夫かな。







「一応GENにも連絡しといたけど、どうやろ、来れるんかな。あ、何飲む?」

「え、あ……そう、ですね」

「お酒とか飲むん?Aちゃんは」

「……飲みます。でもビールは苦手で、ハイボールくらいしか、」

「じゃあハイボールでええよな」





えっ、という私の反応もお構い無しに、テーブルを挟んで向かいに座る山中さんは「すみませーん」と店員さんを呼んだ。



拒否権がまるでないのと躊躇もないな、この人。

あとサラリと名前を呼んでくるところも、フレンドリー感極まりない。






「ハイボールひとつと、生ビールひとつと、……」





あ、でもなんかこの光景、デジャヴ。
とふと思い出す。


あの時の吉留さんが『話したいことがあるから』と言っていたのはきっとこの間のあのことで。

となるとほんまにずっと前から考えてくれたんやなあ、とか、兄のこと彼氏って勘違いされてたなそういや、とか、結局今日の昼にラーメンを食べに行ったけどそんなデートで良かったんかな、とか。







「Aちゃん他なんか食べたいものある?」

「え?……あ、えっと、」

「……なさそうやな。じゃあとりあえずそれで」






ああ、申し訳ない。

せっかくあの、オーラル山中さんに、ご飯、しかも焼肉!に誘われたというのに、頭のなかが。







「すみません……、注文おまかせしちゃって」

「いやええよ。ここ俺の行きつけやし、連れてきたんも俺やしな」






でも、なんか食べたいもんあったら遠慮なく言うこと!と少し強めの口調とジッと見つめてくるクリクリとした目にビクリとしてしまった私が思わず「りょ、了解です」と敬礼ポーズをすれば、






「よろしい」






と、にーんまり微笑まれて、






「ん?」

「……いや、なんでもないです」

「えーなに、気になる」






ちょっと、そのギャップは胸きゅんすぎるんですが、とファンの目線で思わずそう思ってしまったのは、口が裂けたって言えやしない。







「……はいチーズ」

「え」

「はいだめもう1回。はい笑って笑って〜」

「わ、笑うって、……」






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ちわわ - 初めまして!もうめちゃくちゃ刺さりました…大好きすぎる作品です…!第2章のパスワードを教えていただいてもよろしいですか…? (2022年6月3日 2時) (レス) id: 8e9e78c35a (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!とても素敵な作品ですね!続きが気になります!第2章のパスワードを教えていただけますか? (2021年3月26日 17時) (レス) id: ce4eaa6c55 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダマカロン(プロフ) - 第二章と片岡さんのお話のパスワードを教えてもらいたいです! (2020年10月10日 2時) (レス) id: 41c2841ae6 (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - はじめまして!素敵な作品で一気読みしちゃいました(TT)第2章も他の作品も是非読みたいです! (2020年3月6日 1時) (レス) id: 9a92e69ecf (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです、でした、、汗 (2020年2月14日 1時) (レス) id: bbe11dd873 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨムヨム | 作成日時:2019年9月11日 12時

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