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024号室 ページ25

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「いるものあるんだったら買ってくるよ。なにがほしい?」

「や、大丈夫です。わりと昨日買い込んでおいたのでなんとかなります」

「……ほんとに?」





心配性の吉留さんには知られたくなかったんだけどな、色んな意味で。

なんて思いながら、精一杯大丈夫ですアピールをする、も。






「……おかゆくらい作るよ、俺」

「や、ほんとに、お構いなく」

「……俺がしたいんだけど」

「……さすがに家に男の人は上げられませんよ」





それが吉留さんだとしても、と付け加えると、きゅっと元々大きな目がまたさらに大きくなる。



そしてすぐにふっと伏せられた視線を見て、ああ、またその顔だ、と思った。




こっちまで、胸がぎゅうっと苦しくなってしまう、その。







「あー……じゃああの、……んー、」

「なに」

「……連絡先、」

「……え」

「なにか、あったら連絡していいですか」






わざとか、無意識なのか。


分かりやす過ぎるほどに分かりやすくて、そんな彼のクルクル変わる一つ一つの表情の意味にはまったく気づかない、なんてほど私も鈍感なわけはなくて。






「……うん。して。いつでも助けに行くから」

「いつでもは無理では」

「気持ち的には、いつでもなの」

「……ありがたいですけど」






ほら、そんな嬉しそうな顔しちゃって。





「Aのアイコンかわいいじゃん」

「……吉留さんのアイコンはちくわちゃんですか」

「そうそう。よく知ってんね」





難しい問題だな、と考える。

難しく考えようとしているんだろうな、とも思う。





挨拶もそぞろに扉を閉めてふらふらと歩いてベットにダイブし、布団にくるまって、そしてスマホをまた起動させた。




緑のアプリを開くと確かにそこにしっかり表示されている『GEN』の文字。







「いや……なにやってんねん、わたしは」






人は弱ると判断力が低下するのはそうなのだろうが、それよりも。





多分、なにかもっと、別のものが働いてしまったような、そんな。





《吉留さんへ
寝ますね。
心配ありがとうございました。
A》





そうまっさらなページにぽん、と送ってから、しばらく考える。




彼に、私は惹かれてしまっているのか、なんなのか。






「……はあ、」






しかし考えれば考えるほど頭痛が酷くなっていくような感じがしたので、すぐにやめた。

冷えピタを冷蔵庫まで取りに行く元気は全くなかった。







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ちわわ - 初めまして!もうめちゃくちゃ刺さりました…大好きすぎる作品です…!第2章のパスワードを教えていただいてもよろしいですか…? (2022年6月3日 2時) (レス) id: 8e9e78c35a (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!とても素敵な作品ですね!続きが気になります!第2章のパスワードを教えていただけますか? (2021年3月26日 17時) (レス) id: ce4eaa6c55 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダマカロン(プロフ) - 第二章と片岡さんのお話のパスワードを教えてもらいたいです! (2020年10月10日 2時) (レス) id: 41c2841ae6 (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - はじめまして!素敵な作品で一気読みしちゃいました(TT)第2章も他の作品も是非読みたいです! (2020年3月6日 1時) (レス) id: 9a92e69ecf (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです、でした、、汗 (2020年2月14日 1時) (レス) id: bbe11dd873 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨムヨム | 作成日時:2019年9月11日 12時

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