△おわりはじまり (フレデ Vo.) 05 ページ20
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エレベーターを出て少し歩くと部屋の前に座り込む黒いまるっこい人影を見つけて、はあ、と白いため息が漏れる。
家の鍵、ポストに入ってるって言ったのに。
「健司、」
そう呼ぶとその大きな塊がゆらりと動いて、少し濡れた瞳に私が小さく映った。
「寒かったでしょ。わかった、って言ったから家に入ってんのかと思ったよ」
「……ごめん、呼び出して」
「いいよ。酒臭かったらごめんだけど」
健司は、未だにしゃがんだまま。
私は、立ったまま。
この絶妙な距離感がなぜかおかしくてたまらなくて、仕方ないので私も少し間を開けて健司の隣にしゃがんだ。
「……なんか話があるんじゃないの」
「……ん」
「なに。寒いから手短にね」
あーあ。重症だな、私も。
少しだけ見える黒い夜空に目を向けながら、さっきの後輩くんが勢いよく放った言葉を頭にうかべる。
「……俺、やっぱり好きです、Aさんのこと」
「……うん」
「Aさんが俺の事もう好きちゃうくても、ずっと好きです。……それだけ、許してもらおう思って」
「……あ、星」
「……全然聞いてへんやん」
「聞いてるよ」
聞こえてるから、ちゃんと。
そう言いながらゆっくり健司を見つめ返すと、ぱちくりとどんどん両目が丸くなっていく。
「……いいよ。好きでいてくれたら」
「……ほんまに？」
「そういうのは人間の自由だからね。……でも、私はやっぱりもう健司と付き合うことはできない」
「……ん」
「……それだけ、分かって？」
よいしょ、と私は立ち上がって、まだしゃがみっぱなしの彼に手を差し伸べる。
「……色々ありがとう。健司
「……、」
「ほーら、駅まで送るから。健司くーん」
なにも、一歩も進めてないのかもしれない。
私はまだ、彼を縛り続けてしまっているのかもしれない。
それでも。
「……駅までとか言わんと、俺ん家まで送ってくださいよ」
「馬鹿言わないの。こっちは酒が入ってるんですー。なんならもうここでサヨナラしてもいいけど？」
「それは無理」
「……いや重っ！体重かけてるな！？」
それでも、私は彼のことが
いつか幸せになってくれる、その日まで。
「……待っててあげるよ」
「なにがっすか」
「なんでも」
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完結。
なんかちょっとふんわりしてるので、
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かか - ヨムヨム様、はじめましてかかと申します。前作から色々読ませていただきました！とてもドキドキする作品ばかりでした。健司さんの歳上彼女の小説が切なすぎて泣いてしまいました…とても好きです、、！健司さんのクリスマスデートのお話が読んでみたいです (2019年12月25日 1時) (
レス) id: f7b225b8cd (このIDを非表示/違反報告)
みみ - また新しいやつ作ってくださいー！ (2019年12月15日 11時) (レス) id: 9d378c9bf2 (このIDを非表示/違反報告)
ヨムヨム(プロフ) - のぞみさん» 三原兄弟板挟み…私も大好きなシチュですたまらないですよね……。ひっそり応援、こっそり感じておきますね！ありがとうございますー！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: cd469b8f7b (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ(プロフ) - 好きなバンドばかりで軽率に好きです関西弁たまらん、、、三原兄弟板挟み増えて欲しいです！これからもひっそり応援してます、、、！ (2019年9月15日 9時) (レス) id: 1c3d50932b (このIDを非表示/違反報告)
ヨムヨム(プロフ) - とろろのすけさん» どハマりしていただいているようでなによりです。感想読みながらまっしゅの面々を浮かべてニヤニヤしてしまいました。フレ三原弟のリクうけたわりましたー！少々お待ちを！ (2019年9月3日 20時) (レス) id: cd469b8f7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨムヨム | 作成日時：2019年8月29日 22時
