第49話 ページ9
A視点
「っはぁ、はあっ、…」
走り続けて体感数十分
追ってが来そうな雰囲気は無い
ここがどこかなんてわからない。けど、走り続ける
きっと、みんなはあの花畑に行くと思ってるはずだから、別の方向へ。
足が震える。何かを、投げ出すのは初めてで。
「ｯひゅ、…はぁ…ッ…」
息が苦しい
足の裏がズキズキとする
そりゃそうだ。裸足で走っているんだもの
疲れた
寒い
おとうさ、…
「…」
ふと、脳裏に父の顔が浮かぶ
仲間に向け、笑う顔、怒った顔、悔しそうな顔
全て、わたしには向けられなかった顔
わたしに向けられたのは、…
「…あれ、？」
どんな、顔だったっけ
霧がかったように、父の顔が思い出せない
『あら、思い出せないの？』
後ろから聞こえる母の声
「……るさい」
うるさいうるさいうるさい！！！
なんで、なんで話しかけてくるの
やめて、やめてよ、
わたし独りなんだよ、？虚しくなっちゃう
「なんで、？おかーさん、」
わたしが、代わりになれたらよかったのに
ザアア、と風が吹く
『 』
何か、後ろのナニカが喋ったような気がしたが、聞こえなかった
それからは、声は聞こえなくなった
歩き、走り、歩き、…を繰り返してる内に、当たりは暗くなっていた
そして、
「海、…」
月明かりに照らされ、水面に反射する月
写真のおかあさんのめに、似ている色
ふと、浅瀬を見ると綺麗な貝があった
巻貝…のような形に、桜色の貝
きれい
ちゃぷ、…
そんな音が海からした
なんだろうか
「…クラゲ？」
前に図鑑で読んだことがある
W国の海域にしかいない、希少な海月で、夜になると光る、そんなクラゲ
毒はなく、観賞用に人気な海月
観ることに価値があり、存在するだけでも価値がある海月
私とは違い、羨ましくなる
「らしくないなぁ、…」
手を海に沈めると、擦り寄ってくるように近づいてくる海月
ゼリーみたいな感触で、ぷにぷにしてる
今までのことが、嘘みたいに頭に浮かんでくる
母の様になれば見てもらえると、目の色を変えようとしたあの頃
あの子に虐められても、がんばったけど無理だったあの頃
やっと見てくれた、そう思ったけど結局は違う結果だったあの頃
全てが悪い方向に行き、誰もいなくなった今
国民のみんなが憧れている書記長の娘
公表されていない、存在しない娘
別に、いなくなったところで困ることは無いんだよね。
ねえ、おとうさん。
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うさまる - これからも頑張ってください応援してます(長文失礼しました) (4月24日 18時) (
レス) id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
ルー(プロフ) - 人外人間白乃雫さん» 長文ありがとうございます🥹応援嬉しいです😭 (4月24日 17時) (レス) @page19 id: a612f5afd4 (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - tn氏…カ…カッケェ…！！ 親子どっちも不器用なのほんとよき… まじですこです！体調にはお気をつけください！！応援してます！！！！ 長文失礼しました(ˇ ˇ *) (4月24日 4時) (レス) @page19 id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
ルー(プロフ) - うさまるさん» ありがとございますめぅ🥺がんばるめう！！ (4月23日 21時) (レス) id: a612f5afd4 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - 面白いです。頑張ってくださいめぅ (4月23日 18時) (レス) @page18 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曹達水 | 作成日時：2024年3月2日 16時
