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子猫が3匹 ページ5

晴れて野良猫に戻った私。


只今絶賛迷い中。


海沿いの街の夕暮れ時、綺麗だなぁ なんて思いながら、ぼーっと太陽を見つめている。


少しずつ水平線に消えていく太陽に、私が照らされる。黒色の毛が、妙によく輝いた。


たまに通り過ぎて行く人達が、私の写真を撮っていく。珍しいんだろうな、黒猫のオッドアイが。


黒猫といえば、千切さんだな。鹿児島行ったらかりんとう饅頭くれるかな。いや、そもそも千切さんはこの世界にいないか。てかここどこだ。


近くに看板がないか探すと、駄菓子屋が見つかった。これじゃない。道路の方を探すと、見つけた。「鎌倉」と書いてある看板。


鎌倉か。鹿児島には遠いなぁ。


あ、鎌倉といえば


そう思った途端、人が近くに来る気配がした。


その人の気配は、私の隣に座る。


「凛、おまえさ。なに考えてサッカーしてる?」


嘘だろ。


「? 別になんも。ゴールのことだけって感じかな。ヤバイほうに走ってりゃ兄ちゃんがパス出してくれるし」


私は恐る恐る、左に座っている兄弟を見る。


「……ヤバイほうってなんだよ」


小豆色の癖っ毛の髪。少し緑がかった様なストレートの黒髪。そして、ターコイズブルーの瞳。長い下まつげ。端正な顔立ち。


「んー。敵がパニクって、壊れるほう」


そこにはまさに、糸師兄弟がいた。

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作者名:白狐狼 | 作成日時:2024年1月14日 20時

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