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子猫が1匹 ページ3

野良猫の子としてこの世に生を受け、保護団体に保護され、行き着いた先が多頭飼育崩壊の家なのはどういうことなのだろうか。


「にゃ゛ー!(訳:痛い!)」


「フシャー!(訳:俺の飯を取るな!)」


「にゃーにゃー!(訳:ここから出して!)」


保護団体の人達はめちゃくちゃに優しかったのに、女性の方すごく可愛くて優しくて安心できたのに、

ここはカオスだ。


あっちこっちで喧嘩が起こってるし、ご飯が平等に貰えないし、ずっとケージに閉じ込められてる子がいるし、偶に生き絶えてる子を見つけるし。


前世で観た多頭飼育崩壊の現場より過酷だと思う。


あの時の猫さんたち、なんだ想像より元気じゃんなんて思ってごめんなさい。私が甘かったです。


とまあ、空腹すぎて現実逃避しそうになっている今日この頃。


突然、玄関が開き、大勢の人が入ってきた。


何事だ?と思い、首だけを動かすと、そこには大勢の人。全員手袋をしていて、顔面偏差値が高い人、ケージや網を持っている人や、カメラを持っている人もいる。


ん?カメラ?……もしかしてテレビ!?マジ!?


生まれてこの方、テレビなんて映ったことない私。初のテレビ出演が空腹で倒れてるなんてたまるか!


というわけで、私は美人さんのところに歩き出した。欲には忠実にね!じゃないと死にかけるから。


ゆっくり歩いて、美人さんのお胸にダイブ!


ではなく。イケメンの足についた途端に、フラッと倒れてしまった。テレビには映っただろ!

















目が覚めると、見知らぬクッション。

上を見ると、見知らぬ天井。

横を見ると、網目状の壁。


私はケージの中だった。

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作者名:白狐狼 | 作成日時:2024年1月14日 20時

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