１１０話「手術」 ページ1
「そろそろ手術の時間だ。」
「精市……。」
「必ず成功するよ。まってて、A。」
結局試合は終わらず手術に間に合わなかった。
手術台に寝転ぶ精市は、いつも大きな背中を部員に見せている姿から想像できないくらいに小さく見えた。
カラカラと運ばれていく精市を手術室入り口まで送り届け、近くのソファに腰掛ける。
赤也の試合はとっくのとうに終わっているはず、なのになんで、なんでこんなに終わりが遅いの？
なんだか嫌な予感がする。
ーーー
「幸村の手術始まっちまったか」
ジャッカルが腕時計を見る。
時計は手術予定時間の、20分後を示している。
「ワ、ワリッす…」
『誰もお前だけを責めたりするもんか、なあ？』
「参謀も…プリッ 」
「も、申し訳ない」
ここまでの試合結果は、立海にとって屈辱的だった。
今年も無事試合は勝利する、とどこか奢りがあったのか。
いや、そんなことは無い。
彼らは常に最善を尽くしている。
ただ、青学という強敵を最初、少し下に見てしまったのだ。
「コホンッ…とにかく今は我々も集中してないと青学に足元抄くわれますよ。まあ…真田君は戦いの鬼だ。コートにたった時点で全ての雑念を捨てることが出来る。今、彼の頭の中にあるのは…己の前にいる相手を、容赦なく叩き潰す事のみ。」
真田は絶対に負けない。
このプレッシャーに打ち勝つことこそが、真田の強いところ、といえるだろう。
彼は強い。並の選手じゃ勝てない。
ましてや相手は1年だ、負けるはずがない。
メンバーの絶対的信頼を彼が裏切るはずはないのだ。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ame | 作成日時：2020年6月18日 19時
