１０：ラッキー！ ページ10
「よぉ、山本」
「まっ丸井くん！き、ききき奇遇だね」
放課後いそいそとテニスコートへ向かおうとしていると、なんと丸井君に声をかけられた。
なんて運がいいの私！！
でも精市君とあんな話したばかりだし、まともに顔が見れない。目がいつも以上に泳いでしまう。
というか丸井君と付き合いたいと言っても、具体的にどうすればいいの？やっぱり告白？
あっ、もう私丸井君に告白してたんだった。えっじゃあ次は？
…た、助けて精市君ーー！！
しばらくの沈黙のあと、先に口を開いたのは丸井君だった。
「マフィンごちそーさん。うまかったぜぃ」
「あっう、うん！お口に合って良かった」
「なあ、暇な時また作ってくれよ」
「！ぜ、ぜひ！いつでも作るよ！なんなら毎日作る！」
「ぶはっ、まじかよぃ！」
うれしくてつい勢いよく答えてしまった。
丸井君の笑顔を見ると胸が苦しくなる。…重症だ。
「ウレシーけど、大変じゃん」
「丸井君のためならちっとも苦じゃないよ！」
「…んじゃあ、今度はクッキー食べたい。チョコチップ入ってるやつ」
「うん！任せて！」
「ところでお前さぁ、昼に幸村君と
「山本さーん！ちょっといい？」
少し離れた場所から、丸井君の言葉を遮るように、見知らぬ女子が話しかけてきた。
…たぶん、雰囲気からしてそういう呼び出しかな。
丸井君が私の耳元に顔を近づけて小声で尋ねる。
「俺のクラスの奴らだ。…知り合いか？」
ち、近い…っ！れ、冷静に…冷静になるのよ圭…！
「う、ううん。知らない子達」
「…ふーん」
女子達はこっちへ近付いてくる。
「あ、ブン太もごめんねー。大事な話だった？」
「ああ、別に大した用じゃないぜぃ。またな山本」
「うん！」
丸井君はひらりと手を振ると、背を向けて行ってしまった。
……はぁ、幸せな時間だったな…。
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ryo(プロフ) - 夢鈴さん» 読んでいただきありがとうございます*＾＾*夢鈴さんの作品もぜひ読ませて頂きますね！ (2017年4月16日 1時) (
レス) id: ed8196cd3c (このIDを非表示/違反報告)
夢鈴(プロフ) - やば！めっちゃおもろいです！私も作品書いているのでぜひ見てください！ (2017年4月3日 13時) (レス) id: 70d91bf2f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ryo | 作成日時：2017年3月18日 0時
