５：好きです！ ページ5
「はぁ…」
なんで生徒手帳が無いんだろう。
どこで無くしたのか皆目見当もつかない。
持ち物点検で朝から風紀委員長の真田君に怒鳴られてしまった。
そんな事はともかく、一番のお気に入りだった丸井君の写真まで無くしちゃうなんて…
ありえない。
放課後の楽しみも無くなっちゃったし。
ものすごくブルーだ。ため息をつきながらお弁当を広げていると、
「山本圭って奴、いる？」
名前が呼ばれた気がして、教室の入り口に目をやった。
そこには、
「ま、丸井君！」
勢いよく席を立つと、丸井君がこちらへ向かってくる。
「よお、昨日ぶり」
「あ、あの…昨日はその、」
「ほら、生徒手帳拾っといたぜぃ」
「へっ」
ポンと渡されたそれは、紛れもなく私の生徒手帳だった。
そっか、あの時…
って、丸井君の写真も挟まってる！
み…見られた、よね？
おそるおそる丸井君を見ると、目が合った。
次の瞬間、丸井君は私の耳元に顔を近づけた。
驚いて肩がすくむ。
「これからも、応援シクヨロ」
「…………へっ？」
「んじゃ、そんだけ」
丸井君はひらりと手を振って背を向けた。
………………
はぁぁ無理……
超優しい……
……す、
「好きです丸井君！！！」
「……あ？」
しまった。思わず声に出してしまった。
教室を出ていこうとしていた丸井君は、困惑した顔で振り向いた。
丸井君の間の抜けた声と共に訪れた一瞬の静寂。
しかし、すぐにワッと歓声が上がった。
「ヒューッ！ブン太やるじゃん！」
「いいぞ山本さーん！」
段々と冷静さが戻ってくると同時に、襲い掛かる羞恥。
「…！ 言っちゃった！わああごめんなさいー！！」
「あっ、おい！」
私はその場にいられず、教室から走り去った。
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ryo(プロフ) - 夢鈴さん» 読んでいただきありがとうございます*＾＾*夢鈴さんの作品もぜひ読ませて頂きますね！ (2017年4月16日 1時) (
レス) id: ed8196cd3c (このIDを非表示/違反報告)
夢鈴(プロフ) - やば！めっちゃおもろいです！私も作品書いているのでぜひ見てください！ (2017年4月3日 13時) (レス) id: 70d91bf2f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ryo | 作成日時：2017年3月18日 0時
