７コール目 ページ10
家から重たいゴミをやっとこさ引っ張り出した先には、子供。染めたような赤髪だった。
ホームレスの様な出で立ちに、思わず声を掛ける。するとその子はよく分からない叫び声を上げた後に、ゆっくり振り向いた。
みどりと同じ感じがする。とても可愛らしい顔立ちだった。
どうやら甘党らしく、チョコを抱えている。...ささくれた手で。
.
ころころと表情を変えるその子。
どうやら二人の知り合い...友達、らしい。
今日はこの子と1日を過ごすことになりそうだ。
取り敢えず家に誘おうとは思っていたし、でも今日は、
「(緑の髪切り行きたかったんだけど...)ま、いっか」
可愛い彼らに免じて、思考は破棄した。
＿
焼きたてクッキーのやま。
ニヤニヤしてるきょーさん。呆れ顔のミドリクン。
...お菓子を頬張るおれ。
やっぱり転がされてる。
自分の小ささを今更再確認。どうしたって抗えないものはしょうがないし。
戸締まりじゃ無いんだから、なんて心の中でツッコミを入れる。
口の中でほろけるくっきーは、少し苦いココアの香りがした。
「...で？君は恭と緑のお友達なのかな？」
「ぇあ、は、はひ...そうでしゅ」
「噛み噛みやん」
あは、とわらって、おかわりを出される。...行動が読まれている。
多分この人は、俺を助けてくれる人だ。でも、それじゃ駄目だ。
俺は居たら迷惑だし。
困らせるし、それに...嫌われるから。
「...帰ります、おれ」
「ん？ああ、そ…
一応聞くけど。…帰る場所はどこにあるの？」
「ぅ」
絞りだした一言は、ぱちんと弾かれた。おねーさんの言葉に、きょーさん、緑クンも驚いている様だった。
「だって、おれ居ると迷惑だし、お、おれ、なんかいないほう、が、」
ことばに詰まる。情けない。ばかみたいだ。
おねーさんは何も言わずに、俺の頭をくしゃくしゃに撫でた。おねーさんのさらさらの髪から、クッキーの香りが鼻を掠めた。
「そうなの？さびしいなあ。まだまだクッキーあるのにな？」
「……あの。ほんとは…おねーさんのクッキー、もっと、たべたい。
もう、ちょっと、ここにいたい…」
拒否の言葉は出てこない。後ろで笑っている二人を見つめても、帰ってくるのはケタケタという笑い声と、おねーさんの声。
「いいよ、ずっとここにいていいよ。みんなでお菓子、食べよっか。」
ゆるっと笑った。瞳が合った。ぼやけて、嗚咽があふれた。
またきょうだいが増えた、なんて言葉に、笑顔も。
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らとるだお() - っグワァ…可愛いすぎる‼︎最高ですねｯｯｯｯ！←何気に初コメでした (2022年4月13日 3時) (
レス) @page25 id: f62a5d0896 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテ会＠羊羹は神 - 好きです。 (2022年1月9日 20時) (レス) @page25 id: b5934403b4 (このIDを非表示/違反報告)
烏 - sukodesu…あとみんな好きなものに友達とゲームはいってるの良ですね…！ (2021年8月6日 20時) (レス) id: 8c6f3d1c48 (このIDを非表示/違反報告)
らつ - みっちーさん» ヒインありがとうございます…モチベ！！！！！です！！！！！ (2021年7月27日 22時) (レス) id: d4b8270ffa (このIDを非表示/違反報告)
みっちー(プロフ) - うおおおお更新ありがとうございます！文才が…！！いやぁ表現もストーリーも大好きです！これからも無理ない程度に頑張ってください！！！！！ (2021年7月26日 0時) (レス) id: 42a4ed42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：散歩雨 | 作成日時：2020年5月13日 14時
