10コール目 ページ13
ぱらぱらと草が揺れた。光が肌を刺した。何も無かったかのように、いつも通りに。
ここはマンションでは無い。近くにある孤児院。
おねーさんの指示(病気かも知れないから、部屋には入っちゃだめ、と言われたの)で、おれ、れうさん、緑君の三人で孤児院へやってきた。
とんとんとん。
「ちわー」
「！きょーさん、れうさん、緑君も！久しぶり〜。どうしたの、最近来なかったけど。」
ふわふわと手を振ったこいつは、今野優。こんちゃん。
いつも子供用のスーツをぴちっと着てる。とってもおもろい話を、毎回聞かせてくれる。
「ああ、ちょっとな。」
「ね。」
「ｳﾝ、チョットね」
「...？」
静かな孤児院に談笑が響いた。
から、からり。
「らっだぁ呼んでくるね。」
とん、と最後に音が聞こえて、何も居ないかのように静かになる。
おもむろに、マイクを手に取った。小さな子供椅子に腰掛け、マイクを五つ、そっと置いた。
「わあ、らじおすたじおみたい！」
「らじおすたじお？」
ラジオスタジオ。ラジオを放送する所だ。前に教えて貰ったことがある。
「えー、これからラジオを始めま〜す」
「...！緑君もやろう？」
「ｩ...やる」
ちょっとだけ顔を歪ませた緑は、すこし嬉しそうな顔だった。
「おひさ〜...って何コレ、マイク？」
「おうらっだぁ！ラジオやろーぜ！」
「？？？？」
＿＿＿＿
「ここ、おねーさんのお家なの。」
そうだよ。と言う。それ以外には答えようが無い。だって匂いで分かってしまうだろうから。彼の体は、「犬、に限りなく近い
鼻も耳も、それなりに良い。髪の毛が長くて、女の子の服を着ていても違和感のないくらい体が細い。
どこからきた、何をされた、なんて聞いたらきっと怖がらせてしまう。
頼りない小さな手を握りながら、これからどうするべきか考えた。
「眠いなら、寝ていなさい。」
「…」
音もなく布団に倒れた体。顔を覗き込むと、きれいであどけない、普通の子供の寝顔だった。
もしかしたら、こういうのは「専門家」に聞いた方が早いのかも知れない。私一人の力じゃもうどうしようもできないような巨大な問題が忍び寄ってきている気がした。
「…もしもし。ちょっと、聞きたいことが。」
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らとるだお() - っグワァ…可愛いすぎる‼︎最高ですねｯｯｯｯ！←何気に初コメでした (2022年4月13日 3時) (
レス) @page25 id: f62a5d0896 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテ会＠羊羹は神 - 好きです。 (2022年1月9日 20時) (レス) @page25 id: b5934403b4 (このIDを非表示/違反報告)
烏 - sukodesu…あとみんな好きなものに友達とゲームはいってるの良ですね…！ (2021年8月6日 20時) (レス) id: 8c6f3d1c48 (このIDを非表示/違反報告)
らつ - みっちーさん» ヒインありがとうございます…モチベ！！！！！です！！！！！ (2021年7月27日 22時) (レス) id: d4b8270ffa (このIDを非表示/違反報告)
みっちー(プロフ) - うおおおお更新ありがとうございます！文才が…！！いやぁ表現もストーリーも大好きです！これからも無理ない程度に頑張ってください！！！！！ (2021年7月26日 0時) (レス) id: 42a4ed42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：散歩雨 | 作成日時：2020年5月13日 14時
