人の皮を被る狼さん【zm】 (ページ6)

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私はゾム兄の家に向かった

『ゾム兄？』

zm「怖い思いさせたよな…ごめん。コイツらはな獣人族の奴等やねん」

『獣人族？』

zm「獣人族…どちらかと言うと人狼様やね」

人狼様…それは昔から私の住む街の昔話でよく出る悪者だ

人の皮を被った狼て人を食べる凶悪な獣

この森は人狼様の住処だから子供は近づくなって言われてる

zm「せや。俺はアイツらが村に降りてこおへんようにする監視役」

『何でゾム兄がそんな危険な役を…』

zm「俺らの村は100年に一度依代って言う血を持つ子供が生まれてくるらしいんや」

『まさかそれがゾム兄？』

zm「いや俺ちゃうよ…俺やったら良かったんやけどなぁ…その今代の依代はお前…Aやねん…」

『え？私』

zm「そう。そして俺はその依代を守るために普通じゃない身体能力と才能持つ人。

狩人って呼ばれとる。狩人と依代は2人で一つみたいなもんなんや」

昔からゾム兄の運動神経はすごかった

喧嘩になったら大人でも倒せるくらいに

zm「昔、人狼様達は依代や人間を食いに村に下りとったんやって。

やけど昔ある狩人が毎月自分の血の入ったお酒を森に届けるからもう街には降りてこやんといてって懇願したらしいわ」

zm「何でも依代は人狼様からしたらクソ美味いんやって」

『それが私…』

理解が追いつかなかった

zm「毎月俺にぶどうしゅを持って来とったやろ？あれには数滴お前の血が入っとっんねん」

『わ、私誰かに血なんてあげたことないよ…』

zm「村のみんなはグル何や。やから…Aが寝とるときに取っとるんやろ」

『う、うそだ』

また涙が出てくる

zm「嘘やないんや…うちの村は腐っとるんや。Aはもう秘密を知ってしまった…やからなもう村には帰られへんよ。大丈夫！村になんて居らへんでも俺が守ったるから」

ぎゅーとゾム兄が抱きしめる

でもzm兄と一緒なら…そう思えた

zm「これでやっと俺のもんや…もう離さへんで」

涙でグチャグチャになった私を嬉しそうに笑顔で抱きしめる彼は狂気と言っても過言じゃなかった

【zmオチ bad end？】