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【運命的】中島敦 ページ6

これは学園文豪ストレイドッグスです。


*


恐らくこれは、運命なのだと思う。
出会いは春。僕が、そして彼女かまだこの高校に入学したばかりの頃。


「きゃあッ!?」


運命的、と言うより乙女的。
学校の廊下の曲がり角で女の子とぶつかってしまった。それもとても可愛い女の子。

その子が持っていたプリントがハラハラと周りに舞い、僕が慌てて拾い集めたのを覚えている。彼女は一部始終、顔を蒼くして必死に頭を下げていた。

これは運命的で、僕はその時人生初めての一目惚れというものをしてしまったのだ。

それからもう1年と7ヶ月が経つ。


「Aちゃん、一緒に帰らない?」


僕の1年半の片思いは無念にも実らず。
たまたま昇降口で会った風を装って話しかけるだけで精一杯。もちろんたまたまなんか嘘で、ほとんど待ち伏せに等しい。


「そうだね」


そう言ってふわりとわらう彼女を愛しく思いながら横を歩いた。
僕たちの家は同じ方向だ。Aちゃんの家の方が学校から近い。
そんな道を2人で歩けることに幸福感を感じた。


「…あの、」

「…どうしたの?」


もじもじとしたように口籠るその子に、僕は焦らず次の言葉を待った。


「…今度、一緒に…
映画、とか……行きませんか?」


顔を赤くして目を逸らしながら言う彼女に僕は目を丸くした。

自分で言うのもなんだが、僕は帰りを誘うので精一杯で、一緒に出掛けるどころか学校でもそんな頻繁に話しかけられないほどのヘタレだ。
それなのに彼女から誘ってくれるなんて。

こんな幸運はあり得るのだろうか。


「よ、よろこんで!」


そう言うと彼女は一気に嬉しそうな顔に早変わりした。周りに花が咲いたように錯覚するほどの可憐な笑み。


「じゃあっ、メールアドレス…交換してもいいですか?」

「あ、あぁ、いいよ!ごめんね、気が利かなくて!」


声が裏返ってないだろうか。
彼女ばかりに言わせて最低だろうか。
ああ、次こそは僕から誘おう。

でもやはりこれは…、


「…ふふ、」


やはりこれは、運命なのだと思う。

僕のアドレスを確認して照れ臭そうに、そして嬉しそうな笑う彼女を見て確信した。



*

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紅月天音(プロフ) - 霊夢どうふさん» ありがとうございます!!更新は遅いですが、お話の質は落とさないようにしていきたいと思います! (2018年7月26日 13時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - 芥川さんが多い上に描写がふつくしすぎる!更新頑張って下さい! (2018年7月26日 1時) (レス) id: 8add41b466 (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - ワッさん+aさん» 素敵な感想をありがとうございます!!今後も期待に応えられるようにお話を作れたらいいなと思いますので、よろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - 背景と、主人公の心情の移り変わりがとても細かく書かれていて素敵です!!!! 惚れました!!!!之からも楽しみにしています!!!! 更新頑張って下さい!!! (2018年3月30日 21時) (レス) id: 0cdcac71cf (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - 紫猫日和さん» 大変長らくお待たせいたしました!すみません、芥川sideは難しくて中々筆が進まず…!ようやく完成いたしました!リクエストありがとうございました!またお気軽にどうぞ! (2018年1月24日 17時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅月天音 | 作成日時:2017年10月16日 17時

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