年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

★4.Kento side ページ48

いつの間にか、Aちゃんの家の前。

「…思いませんよ？だって。Aちゃん、健人さんのこと、大好きなんですもん。」


「へ…？」


その瞬間、目の前のドアが思い切り開いて


「健人！！！！！」


Aちゃんが勢い良く抱きついてきた。


「ごめんね…健人…ほんとにっ…風磨とは何にも無いの！私が風磨に小麦粉…」


「小麦粉…？」


「そうそう。こいつ、俺の頭に小麦粉ぶっかけたの。」


いつの間にか現れた風磨。


「だから頭洗ってたの…お詫びに…ほんとそれだけ！」


「俺からもごめん。あんなとこみたらそりゃ疑うよな…」


「ね？何も心配すること無かったでしょ？健人さん♩あ、Aちゃん小麦粉買ってきたよー♩」


「マーちゃんもごめんね？ありがとう…」


そういえば電話してるとき‘マーちゃん’って聞いたな…マリアちゃんのことだったんだ…。

てか！


「風磨呼びダメ！風磨と2人っきりはもっとダメ！風磨が上裸もダメ！Aちゃんのことこいつ呼びもダメ！」


「健人…」


「Aちゃんは俺のなの‼」


Aちゃんを抱きつかせたまま叫ぶ俺に、ニヤニヤする風磨カップル。


「だってさ。俺らは邪魔みたいなので帰りましょうかね？マリア。」


「そうだね！帰ろう帰ろう〜♩Aちゃん、健人さん戻ってきて良かったね！」


「マーちゃん、風磨…くんありがとね？マーちゃん、またいつでも来て？」


「うん！」


そう言うと仲良く帰って行った2人。
急に静かになるとなんだか気まずい…。


「とりあえず、上がって…？」


「うん…」


ぎゅっと握られている右手が熱い。
俺の不安を消し去るようなAちゃんの優しさが、たまらなく愛おしい。

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