年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

★1.Kento side ページ45

「えっ⁈お泊り？」


目を丸くしたAちゃんと、


「うん！明日オフもらえたからさ？良い？」


満面の笑みで答える俺。

ひさびさにオフをもらえて、Aちゃんの家に泊まらせてもらおうって。
ま、て言っても隣の部屋だけどね？


「私は良いけど…大丈夫？」


少しだけ大人のAちゃんはいつだって俺の仕事を心配してくれる。
だけどなぁ…もうちょっと素直に喜んでくれたって良いんだよ？
会いたいのって、俺だけ？


不安になって、Aちゃんの髪の毛に手をかけて優しく撫でる。


「ふふっ。なにー？さみしくなった？」


「ん…。」


見透かされたのが恥ずかしくて、後ろからギュッと抱きしめるとAちゃんのケータイが着信を知らせた。


「ごめん。電話出るね？」


「もしもし？あ、マーちゃん？どうしたの？うん…。えっ⁈明日⁇んー…」


くりっとした目で俺を不安そうに見るから、多分お泊りは無しになるって、分かった。
残念過ぎるけど、それを隠して笑顔で頷く。


「分かった！分かったから！できる限り早く帰ってね？ん。はーい。」


「Aちゃん…俺、大丈夫だよ？」


「健人…ごめんね？絶対埋め合わせするから‼」


「じゃあギュッてして？」


「ん。お安い御用！」


そう言うと、クルッと向きを変えてAちゃんが腕の中に飛び込んでくる。

ふわっと香る彼女の香りに、まあ仕方ないかとつぶやいた。

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