年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

○38.You side ページ38

「Aちゃん、最近なんかあった？」


マコさんにこう言われるのも。


「Aどうしたのよ？」


リカちゃんにこう言われるのも。


どうしようもなく不安で、イラついたり。
全部あのアイドルのせい。


•


「も〜…なんで私が･･･！！…集中集中！」


幸いお客様の前では笑顔でいられる。
だからかな。
余計に、あの夜の瞳を思い出すと色んな気持ちが溢れる。


•


あの夜、仕事が遅かった事も、おじさんに絡まれたことも私のせいにされたらたまらないけど、あの日の彼は見たこともない目をしていた。


《･･･好きだよ》


健人から好意を抱かれているのは薄々気づいてた。そんな鈍感じゃないし･･･。
…でも、自意識過剰になることが怖かった。
仲のいい後輩くらいの関係でいることが1番だって思ってきたのに…。


「あんなことされて、ドキドキしないわけないじゃん…バカ」


あの瞬間。
キスされた瞬間。
なにかリミッターが外れたように心臓が痛かった。


•


金曜の夜。
タイミングよく彼のドラマに遭遇する。


私が送ったメッセージに、
彼からの言葉は帰ってこない。


ピロン♩


青い鳥のSNSが思わぬ人からの通知を鳴らしたのは、ため息をついたすぐ後だった。

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