年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

○37.Kento side ページ37

忙しい中で一つ進展があったのは元カノ、ミリアのこと。

俺から一方的に切っちゃったのもあって、気にしてはいたんだけど･･･


•


「失礼します。北沢美梨愛です。中島さん呼んでいただけますか。」


「お前…」


唖然とする風磨に素直に共感できるほど、驚いた。
テレビ局の楽屋にミリアが現れるなんてね。


•


「ごめんね。急に。もう終わったのに。」


「いや…。俺もはっきり言わないで別れちゃったから気にしてたし…。」


「ほんとにビックリした。でも普通だよね。健ちゃん、ミリアがやってたこと知ってたんだね…」


その言葉に、風磨に言われていた言葉を思い出す。


「売名だったの…？」


「…どうだろ。ほら。ミリアもう高校3年じゃん。ミリア専属モデルじゃないし、今の雑誌ももうすぐ契約終わっちゃうからすごく悩んでて。」


「そんなときに、健ちゃんに出会った。一目惚れしたって言ってくれたでしょ。ほんとに嬉しかった。」


「ミリア…。」


「すぐに事務所にも見つかっちゃったし、それで、事務所に材料として使えって言われた。…週刊誌呼んだのが初めてだったけど…」


「そっか…」


「別れたいって言われてすっごい後悔した。いまも…でも！健ちゃんいま、好きな人いるよね…？ミリアの顔見ても全然大丈夫そう。」


「ミリア、今度は自分で頑張るから。健ちゃんも、頑張ってね。本当にごめんなさい。…ばいばい。」


•


「アイツ、意外と良いやつじゃん。」


「え？聞いてたの？」


「聞こえた。ちゃんと話せて良かったな」


ミリアの後ろ姿はいつも通り、綺麗だった。


「俺、変わっちゃったのかなー。」


「それが恋ってもんでしょ。」


ニヤリと笑う風磨を見て、
なぜか無償にAちゃんに会いたくなった。

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