年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

○33.You side ページ33

22時。

随分と遅い時間だけど、仕事のご褒美！
わたしの足はリカちゃんたちの店へと向かう。


【リカちゃんのお店行くよ〜】


なんて言葉が安易に怒ったスタンプの下に連なって、すぐに既読がつく。


【マジっ？！俺もいく！！！】


そういえばあの子、連ドラ撮ってるんじゃなかったっけと思いながら、わたしの頬は緩んでいる。

わたし･･･もしかしてもう･･･


•


華の金曜日。


あちこちで飲み会が開かれて、冬だと言うのに蒸れた空気が吹いてくる。


「ねえー。オネエサンひとり？」


突然ぐいっと肩を掴まれて動きが抑えられる。
強いお酒とタバコの匂いに目眩がする。


「へー。カワイイじゃん。いくつ？もしかして高校生？」


「…ちょっと急いでるので」


営業スマイルで返すものの、その勢いは衰えない。


「えーいいじゃん！金曜日だよ？俺たちもオンナノコいた方が盛り上がるしさあ！」


•


「あの。」


折れそうになったわたしの鼓膜に、
聞き慣れた優しい声が聞こえてきた。

「健人…。」

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