あの日の約束 (ページ5)

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それから長い入院生活が始まった。
でも神様もそこまで悪くないのか急激に病状が進行するわけではなかった。

初めは学校に行きたい、友達に会いたい、家でお兄ちゃんと遊びたい、したいことがたくさんあった。

でも1ヶ月もすれば嫌でもこの生活に慣れてしまっていた。

もちろん最初はクラスの友達も来てくれていたけど時間が経てば頻度も減り、2ヶ月、3ヶ月もすれば月1回担任の先生が顔を見に来るだけだった。

この生活の他にもうひとつ、自分の生活に変化があった。
週末は必ず、平日もほぼ毎日樹がお見舞いに来てくれていた。

そして気がついたら1番の友達になっていた。

学校でのできごと、最近見たテレビの話など話題が尽きることはなかった。
病院の中に図書館があったから一緒に行くこともあったし中庭に行って散歩をすることだってあった。母さんに危ないから行っちゃダメだよって言われていたけど2人でこっそり屋上に遊びに行ったこともあった。

お花見をした後、思わぬことで仲が深まり、いっぱい話したい、今まで話せなかった分これから仲良くなりたい。そう思っていた矢先のこの生活。嫌なことばかりではないんだな、病気になるっていう嫌なことがあったら樹ともっと仲良くなるっていういい事も起こるんだな、そう思った。