あの日の約束 (ページ40)

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40 -Hokuto- ページ40

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近い、ほんとに近過ぎる。家でてすぐ着いちゃったよ。何回も思うけど、やっぱり近い。

インターフォンを押さなきゃいけないは分かっているけど押すのを躊躇うくらい心臓がバクバクしている。

でも押さないと何も始まらないので意を決して押した。

数秒後

A母「はぁーい」

「あ、松村です」

A母「あ、ちょっと待ってね〜」

「はい」

　

今日1日気がついたら喋ることを何回も反復しているけど流石に呪文みたいになってきて意味分からなくなってきたし...

そんなこと考えてたら玄関の鍵が開く音がした。

A「北斗くん！お久しぶり」

「久しぶり、来るの遅くなってしまってごめんね」

A「全然！あ、本！ちょっと待ってて、」

「あ、全然急いでないからゆっくりで...」

ゆっくりでいいよって言おうとしたけど言う頃には取りに行ってしまって言えずちょっと恥ずかしい。

A「お待たせ！すっごく面白かった！返すの遅くなってごめんなさい。お礼にお菓子入ってるからよかったら食べて？」

「そんな気にしないで！むしろ気を使わせちゃってごめん。」

A「北斗くんは何も悪くないの。私が読むの遅くって...」

「俺も読むの早くないからそんな気にしないで？で、内容どうだった？面白かった？」

A「うん！すごく面白かった！」

「そっか、よかった！面白くなかったらどうしようかと思ってた」
「じゃ、帰るね？また！」

A「あ、うん！来てくれてありがとう」

またねって言い合った後、ちょっと早歩きで帰る方向へと歩いた。

緊張していたからなのか、若干手が震えているような気がする。

本当は連絡先も聞きたかったし、次の約束だってしたかったけど、流石にそこまでの、勇気は出なかった。