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退院してからいろんなことがあっていつの間にか夏休みになりそうになっていた。
退院した後、久しぶりの学校にわくわくしながら荷物の準備をしていたのは誕生日よりも前の話。
必要なものを準備している時、机の上に置いてあった入院中に北斗くんが貸してくれた本が目に入った。
早く読みたいし、学校に持って行って休み時間に読もうとカバンに入れようとしたら
「家で読んだら?持って行って汚したらどうするの?」
とお母さんに言われてしまった。
言われてみたらその通り。借り物だから大事にしたい。
素直に『分かった、家で読む』と言ってまた机の上に戻した。
それから2ヶ月ちょっと
学校から帰ってきてから読んでいたからなかなか進まず、時間がかかってしまったけど全て読み終わった。
2冊貸してくれたから両方読んでから返すのがいいのかなと思って読み終わるまで何もしなかったけど、よく考えたら北斗くんの連絡先を知らないことに気づいた。
樹が明日の学校終わりに家に来ることになっているからその時聞いてみるのがいいのかなって思って早く学校終わらないかなってちょっと浮き足立っていたのかもしれない。
次の日
家に帰ってしばらくしたら樹が来たからさっそく聞いてみることにした。
「ねぇ樹、北斗くんに本返したいんだけどどうしたらいいと思う?」
田中「北斗?あ、この前の本のこと?」
「うん、遅くなったけど全部読んだから返したい」
田中「分かった、明日聞いといてやるよ」
「ありがとう」
自分のことなのに樹にお願いするのも悪いなと 思ったけど仕方ない。お願いするしか方法がないからお言葉に甘えることにした。
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作者名:Hana | 作成日時:2023年12月6日 3時